" 開催レポート|民間医局アカデミーシリーズ3 Dr.矢野監修 『ゼロからわかる!抗菌薬はじめの一歩』

Dr.矢野監修 『ゼロからわかる!抗菌薬はじめの一歩』 開催レポート

Dr.矢野監修 『ゼロからわかる!抗菌薬はじめの一歩』 開催レポート

2019年5月19日(日)感染症診療を1から学べる受講者参加型ワークショップ、「Dr.矢野監修『ゼロからわかる!抗菌薬はじめの一歩』」を東京都内の飯田橋レインボービルにて開催いたしました。

今回、感染症学のトップエキスパートである矢野晴美先生を監修にお迎えし、過去に人気を博した感染症シリーズがさらにパワーアップして帰ってきました!
当日は研修医1年目~卒後5年目までの先生方91名にご参加を頂き、大変盛況なワークショップとなりました。
ここでは、受講者の皆様からアンケートでいただいたコメントとともに、当日の様子をお伝えします。

■ 開会挨拶&自己紹介 ■
冒頭は監修の矢野先生によるあいさつでセミナーがスタート。
グループごとの着席で少し緊張モードでしたが、自己紹介タイムで場が一気に温まります。

■ 事前クイズ2問の解説 ■
まずは、下記矢野先生から出題されていた「事前クイズ2問」をサポート講師である研修医の先生方とともに解説頂きました。
出題されたケースに対して他の受講者がどの抗菌薬を選んでいるのかを確認しながら学ぶことで、自身の”感染症診療に対する理解度 ”を改めてチェックすることができました。
監修の矢野先生による講演の模様
監修の矢野先生による講演の模様

★★事前クイズの1問を大公開!★★

29歳男性。アトピー性皮膚炎の既往あり。顔面、頚部に落屑および掻爬痕あり。2日前から右足の発赤と腫脹で来院した。発熱が37度あった。この患者を入院治療する場合、静脈注射の抗菌薬で最も適切なものはどれか。 1つ選べ。体重70kg、Cr0.9腎機能は正常とする。
a ペニシリンG 1回400万単位4時間ごと
b アンピシリン 1回2gを6時間ごと
c セフォチアム 1回2gを12時間ごと
d セファゾリン 1回2gを8時間ごと
e ピペラシリン 1回2gを12時間ごと
解答・解説は7月7日より販売中のWeb教材で!!→https://www.residentnavi.com/docs/academy/02/


★基本編★ 抗菌薬ワークショップ
事前クイズの解説で現在の理解度が把握できた後は、監修・矢野先生から「基本抗菌薬」のレクチャー。
セルフアセスメントを交えながらご自身の著書「絶対わかる 抗菌薬はじめの一歩」の内容を中心に基本抗菌薬19種類を丁寧に解説いただきました。
レクチャーの後半ではグループ対抗クイズを実施。矢野先生から出題された2問の治療薬に関するクイズの回答をグループで考え、フリップで解答します。セミナーを通してクイズは合計7回。果てしてその結果はいかに!
講演風景
講演風景
講演風景

― 受講者の声 ―

☑「感染症はまず起因菌を想定して!」この当たり前な事実に改めて気付いただけでも来たかいがありました。
☑今まであいまいだった重要な抗菌案のカバーが整理されました。
☑ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系を中心に抗菌薬の使い分け、またそもそもの感染症例の是非についても改めてまとめられたので良かったです。

★応用編★現役研修医による『ケーススタディ』
午後は現役研修医3名による『ケーススタディ』です。
1例目、長谷部圭亮先生(君津中央病院大佐和分院)からは多量水溶性下痢を訴え来院した症例を、2例目は高橋佑輔先生(天理よろづ相談所病院)から、発熱・頭痛や筋肉痛を訴え救急外来に来院された症例経験についてご発表頂きました。 最後の3例目では「口のもたつき」を主訴とした難しい症例を梶原知己先生(水戸協同病院)にご発表頂きました。
受講者はそれぞれの症例に対して『鑑別診断』と『抗菌薬選択』を考えグループでディスカッションし、フリップで解答します。
各グループ様々な意見が飛び交い、いろいろな視点から答えを導きだそうと、参加者同士の議論が白熱しました。
講演風景
講演風景
講演風景
― 受講者の声 ―

☑鑑別治療に迷う症例のdiscussionはとても勉強になりました。
☑症例について丁寧に検討して治療に至る経緯を学ぶことができた。

★実践編★院内感染対策ワークショップ
セッションの最後は、過去の感染症シリーズでも好評だった院内感染対策ワークショップ。
なかなか人に聞きづらい『手指消毒の方法』『防護服の着方』に加え、『針刺し切創の処置』を実践的に学んで頂きました。
『防護服の着方』では受講者3名がデモンストレーションを行った後、矢野先生がお手本を示しながら感染制御のポイントを伝授。
最後に受講者全員で実践し、「レクチャーのみでなく、実際に自分で着てみることで、もっと気をつけなくてはいけないことが実感できた」と大変好評なワークショップとなりました。
講演風景
講演風景
講演風景
― 受講者の声 ―

☑ガウンの着方はもう聞けないと思っていたため、今回、細かい所までしっかりチェックできたのはよかった。
☑日々に雑になりかけていたスタンダート・プリコーションなど手技を確認することができて良かったと同時に、改めて感染対策の重要性に気づくことができました。
表彰
表彰

セミナーの最後は優秀者の表彰式。
全部で7回出題されたグループ対抗クイズで最も点数が高かった⑥グループが最優秀グループ賞を受賞し、矢野先生から表彰状をお渡し頂きました。
また院内感染対策ワークショップで壇上に上がり、防護服の着脱のデモンストレーションに参加された3名には優秀個人賞として矢野先生からメダルが贈られました。

本日のセミナーでは、感染症・抗菌薬の使い方の基本だけでなく、得た知識を実臨床で活かすための思考プロセスや今後どこに注目して勉強すべきなのかを1日で集中して学ぶことができました。
本日のセミナーは当日受講できなかった方からのご要望にお応えして、Web教材を販売中です!

詳細はこちら→https://www.residentnavi.com/docs/academy/02/

民間医局アカデミーでは今後も様々なテーマを取り上げ実臨床に役立つセミナーを企画予定ですのでお楽しみに!

受講者アンケート

アンケートデータ

― 受講者の声 ―

  • 事前に参考書を提示して頂き、十分ではなかったけれども予習をして臨み、臨床で、不明確な点が、受請前に比べて明らかになって嬉しいです。
  • 勉強の突破口、方針が分からず困っていましたがこれを期に勉強しようと思える良い機会になりました。
  • 臨床のプロがつくったクイズをといて、解説が聞ける機会は貴重でためになりました。もっと増やしてほしいです。
  • 同じ研修医の方と意見を出し合いながら参加するので違った視点、考え方を学ぶことができとても刺激的だった。
  • 今まで私は抗菌薬の機序ばかり見ていましたが、本質なのは起因菌を想定すること!!ここが抜けていたことに気付きました!!
  • よく使う択菌薬に絞ってあり、明日からすぐに役立ちそうな内容や症例で、今まですっきりしなかったところがよく理解できるようになったと思います。
  • 研修医の先生がつくようになったので今まで自信を持って教えられませんでしたが、このセミナーをもとに知識を共有したいと思います。



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