民間医局アカデミーシリーズ2

明日から使える救急の知識


当日、登壇される講師の先生方のご経歴と本講義についてコメントを頂戴しました。

監修  岡田 唯男 先生 
第1回 6月28日(土) 講師  第1部 南澤 潔 先生  第2部 岡田 唯男 先生  第3部 田中 厚 先生
第2回 7月26日(土) 講師  第1部 茂木 恒俊 先生  第2部 岡田 唯男 先生  第3部 今村 弥生 先生
第3回 8月30日(土) 講師  第1部 水谷 佳敬先生  第2部 岡田 唯男 先生  第3部 服部 惣一先生



監修
第1回 6月28日(土) 第2回 7月26日(土) 第3回 8月30日(土) 第2部 講師

医療法人鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山 院長 岡田 唯男 先生


医療法人鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山 院長 
岡田 唯男 先生


ご略歴

1995年 神戸大学医学部 卒業

1997年 ピッツバーグ大学メディカルセンター附属シェイディサイド病院
            家庭医療学レジデント(米国ペンシルバニア州ピッツバーグ)

2000年 ピッツバーグ大学メディカルセンター 家庭医療学レジデンシー連合会
            医学教育者養成プログラムフェロー(米国ピッツバーグ)

2000年 ピッツバーグ大学公衆衛生大学院(公衆衛生学修士取得)

2002年 亀田メディカルセンター 家庭医診療科部長代理

2005年 同 家庭医診療科部長

2006年 亀田ファミリークリニック館山 院長/鉄蕉会 理事


卒後研修における指導を中心に、全国の指導医養成セミナーの講師、WSファシリテーター、コンサルタントなど、
プライマリ・ケア(家庭医療学)の専門家、卒後教育の専門家として、院内のみならず、全国各地で精力的にご活躍中です。
TBS系「これが世界のスーパードクター」や、NHK「総合診療医ドクターG」にもご出演されました!

◆◇監修からの一言◇◆

自分は内科医だ、といえど、夜の救急当直や地域医療などのプライマリケアの現場では、それ以外の領域の初期診療、
基本的対応が求められることがしばしばあります。近々制度化される総合診療専門医の研修においては内科以外の分野も
習得することが求められます。それらの分野のうちニーズの高い6分野における基本中の基本を、診療の原則、
見逃してはならない疾患、これだけ押さえればなど、最小限の1時間に詰め込んでお伝えします。
もちろん本シリーズだけで十分と言うことではありませんが,これから勉強を始めようとする方々、どこから
手をつければよいか分からないという方々のとっかかりとして良いガイドとなるでしょう。

また、ジェネラリズム総論として、縦割りでは見えなくなってしまう、総合的視点からの診療の原則について
ショートレクチャーで提供致します。質疑応答の時間も意図的に十分確保していますので、皆様の現場からの質問を
用意してご参加ください。

◆◇総論講義 内容◇◆

総合的な視点(generalism)を持った医師になるためには何でも診られればよいので、内科・小児科・ 外科・整形・皮膚…
全部ローテートすればよい。と考えは誤解です。世界中のジェネラリスト教育では疾患各論にくわえてジェネラリストとしての
アプローチ法、ものの考え方を学ぶことがコアとして組み込まれています。
3-4年かかる専門家としてのジェネラリスト教育のコアスキルを25分x3でというのは今回監修させて頂いた
○○科の基本を1時間ちょっとでというのと同じか、それ以上に無理難題なのですが、 それでも絞りに絞って
患者中心の医療の方法(PCCM:Patient Centered Clinical Method)、家族指向のケア、 地域アプローチ、
ヘルスメインテナンス、行動変容といったジェネラリスト必須科目から、かいつまんでご紹介致します。







第1回 6月28日(土) 第1部 講師

医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター 東洋医学診療科 部長  南澤 潔 先生

医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター
東洋医学診療科 部長
南澤 潔 先生


ご略歴

1991年 東北大学 医学部卒業

1991年 武蔵野赤十字病院 研修医

1993年 富山医科薬科大学 和漢診療部入局 寺澤捷年教授に師事

             諏訪中央病院・成田赤十字病院での内科研修

1999年 麻生飯塚病院漢方診療科

2001年 富山大学和漢診療学講座 助手、病棟医長

2006年 砺波総合病院 東洋医学科 部長

2009年 亀田メディカルセンター 東洋医学診療科 部長



◆◇講義内容◇◆

六君子湯、大建中湯、抑肝散など、内科医も普通に漢方を使う時代になりました。
しかし今までの考え方で漢方薬をただ「便利な薬」として使うのは「ナイフとフォークで寿司を食べている」ようなものです。
実は心身一如の思想で患者さん全体を診る東洋医学では、「不定愁訴」「メンタル系だ」と敬遠されがちな
対応困難例が、まるで違った景色で見えています。

講義内容は

  • ・意外にも簡単な東洋医学の診療思考
  • ・内科医が知っていると便利な簡単漢方
  • ・漢方薬を処方するなら医師として知っておくべき事

となります。
プライマリケアの現場で遭遇するやっかいな症状に対処する東洋医学的考え方も概説します。
「患者から逃げないですむ医療」漢方の正しく便利な使い方を学びましょう。
 
【講義のキーワード】
漢方 心身一如 不定愁訴 逃げない医療




第1回 6月28日(土) 第3部 講師

医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター皮膚科 部長 望月 田中 厚 先生

医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター 
皮膚科 部長
田中 厚 先生


ご略歴

1989年 東京医科歯科大学 卒業

1989年 東京医科歯科大学医学部 皮膚科学教室 研修医

1991年 桐生厚生総合病院 皮膚科

1993年 東京医科歯科大学医学部 皮膚科学教室 助手

1994年 NTT伊豆逓信病院 皮膚科

1995年 亀田メディカルセンター 皮膚科

1998年 亀田メディカルセンター 皮膚科医長

2002年 亀田メディカルセンター 皮膚科部長


◆◇講義内容◇◆

  • ● その日のうちに紹介をすべき救急疾患トップ4(壊死性筋膜炎/ガス壊疽などその他)
  • ● 必ず近日中に紹介をすべき疾患(皮膚がんや内臓がん のデルマドローム、重症になりうる全身感染症など)
  • ● 見逃してはならないいくつかの皮膚疾患(帯状疱疹、疥癬、見逃しやすい薬疹、膠原病や血管炎の皮膚サインなど)
  • ● 内科、プライマリケアで対応可能、対応すべき疾患トップ3とそれらの紹介のタイミング(アトピー性皮膚炎など)
  • ● 局所ステロイドの使い方:長期使用は何をどのぐらいまでなら良い? 非可逆性の副作用は? どの部位はどの強さまで?
  • ● 皮膚診療の武器:顕微鏡があると広がる皮膚診療/非専門医によるダーモスコピー使用

について講義を行います。

【講義キーワード】
つらい内科の勉強の合間に、楽しい皮膚科を少しずつ勉強継続。
でも油断すると患者・医師とも、とても痛い目に!





第2回 7月26日(土) 講師 第1部

京都大学大学院医学研究科 医学教育推進センター 一般社団法人 こどものみかた 理事 小児救急初療コース(Triage & Action) ディレクター 聖マリアンナ医科大学臨床教授
茂木 恒俊 先生

京都大学大学院医学研究科 医学教育推進センター
一般社団法人 こどものみかた 理事
小児救急初療コース(Triage & Action)ディレクター
茂木 恒俊 先生 


ご略歴

2003年 飯塚病院 初期研修医

2005年 飯塚病院 内科・総合診療科後期研修医

2008年 飯塚病院 総合診療科医長代理

2010年 松口循環器科・内科医院 副院長

2011年 飯塚・頴田家庭医療後期研修プログラム指導医

2013年 京都大学大学院医学研究科 医学教育推進センター

             一般社団法人 こどものみかた理事


◆◇講義内容◇◆

子どもの病気の多くは急性上気道炎や胃腸炎など地域や学校で流行しているものが多く、実際に救急を受診する
子どもの約90%が一次救急である。しかし、残りの10%には見逃してはいけない病気が隠れていたり、全身状態が
不安定な子どもも含まれている。

講義では①子どもの全身状態をどのように評価し、いつ小児科医へ紹介するべきか、紹介する際にはどのように
伝えるべきかについて学び、②発熱や腹痛などよく診る症候の見逃してはいけない病気を判断する際の
ポイント(病歴、身体所見、母子手帳など)、③帰宅可能と判断した場合に家族へどのような説明をすべきか
(再来のタイミングの指示、経口補水の作り方や飲ませ方)について学びます。

【講義キーワード】
 プライマリ・ケア、小児救急初療コース(Triage & Action)、よく遭遇する症候





第2回 7月26日(土) 講師 第3部

東京都立松沢病院 精神科 今村 弥生先生

東京都立松沢病院 精神科
今村 弥生先生 


ご略歴

2002年 札幌医大 卒業

2003年 札幌医科大学付属病院 精神科

2007年 浦河赤十字病院精神科

2010年 聖隷三方原病院

2010年 東京都立松沢病院精神科

2014年 日本社会事業大学 非常勤講師

           自治医科大学 非常勤講師


◆◇講義内容◇◆
知っているようで、本当の所はよくわからない精神科領域の問題について、プライマリケア領域においても、
遭遇する頻度が高い病態と必要度が高い技術を取り上げる予定です。

講義内容は、混乱しがちな疾患概念の整理と精神疾患の診断の基本(DSMの改訂について)
できれば内科・プライマリケアで継続的に診てもらえるととても助かる病態/抱え込まず、即精神科に紹介すべき病態
不眠が主訴の場合に安易に睡眠導入剤を処方してはならない5つの理由
向精神薬処方のポイント、依存的な方、ボーダーラインパーソナリティ障害の方への接し方心得
などのトピックスを予定しています。

【講義のキーワード】
精神医学、向精神薬、困難な患者への対処





第3回 8月30日(土) 講師 第1部

独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 産婦人科 茂木 水谷 佳敬 先生

独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター
産婦人科
水谷 佳敬 先生  


ご略歴

2006年 東邦大学卒

2006年 財団法人 警友会けいゆう病院初期臨床研修医

2008年 医療法人 鉄蕉会亀田総合病院/亀田ファミリークリニック館山

             家庭医診療科後期臨床研修医

2011年 同フェローシップ

2012年 独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター産婦人科


◆◇講義内容◇◆

婦人科診察(内診台、膣鏡、経膣超音波)を要さずに問診、診察と検査で対応可能な産婦人科疾患について総まとめを行います。

  • ● 緊急・準緊急にコンサルトを要する状態(異所性妊娠疑い、卵巣腫瘍茎捻転、妊娠高血圧症候群など)
  • ● 保存的に経過観察が可能な疾患(卵巣出血、月経困難症、無月経など)
  • ● 投薬のみで対応可能なコモンプロブレム(帯下異常その他)、緊急避妊、内科疾患合併妊娠、妊婦の内科受診時の対応など
  • ● 妊婦、授乳婦への投薬・検査(X線など)の原則
  • ● 内科医にお願いしたい妊娠前カウンセリング/妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の産後フォロー

【講義キーワード】
 産婦人科疾患 ウィメンズヘルス 内科対応





第3回 8月30日(土) 講師 第3部

聖路加国際病院 救急部 副医長 大谷 典生先生

医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター 
スポーツ医学科 医長 
服部 惣一 先生 


ご略歴

2004年 東海大学医学部医学科 卒業

2004年 亀田メディカルセンター 初期研修医

2006年 亀田メディカルセンター 救命救急科 後期研修医

2009年 亀田メディカルセンター 整形外科 

2012年 亀田メディカルセンター スポーツ医学科

2013年 亀田メディカルセンター スポーツ医学科 医長

2014年 国際武道大学非常勤講師


◆◇講義内容◇◆
筋骨格系,スポーツ領域について下記の内容について概説を行います。
  • ● 直ちに紹介すべき疾患や病態
  • ● 待機的に紹介すべき疾患や病態
  • ● 内科、プライマリレベルで診てもらう方が有り難い、診てもよい疾患や病態とその紹介のタイミング
  • ● 覚えておくと違いが出せる診察法,レントゲンオーダー
  • ● 余裕があれば学んでおきたい,筋骨格系超音波

【講義のキーワード】
紹介のタイミング 超音波検査