専門科目を問わず、若手からベテランまで多くの先生方に受講頂けるテーマで実践的な講義をお届けする『民間医局アカデミー』。その第1回講義が2014年1月25日(土)に開催されました。今回の講義テーマに、多くの先生からご希望の声を頂戴した「救急」を取り上げたこともあり、会場には若手からベテランまでたくさんの先生方にお越しいただきました。
当日は、1部で監修も務めて頂いている聖路加国際病院 副院長 救命救急センター長石松伸一先生より「組織・システム編① 事例を元にしたインシデント・見逃し①」と題して聖路加国際病院での事例を中心に、病院でできる”急変”や”見逃し”などのエラー対策についてお話いただきました。
続いて2部では、筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・総合病院水戸協同病院 救急・集中治療部 准教授 阿部智一 先生より「診断・治療編① 今さら聞けない・意外と知らない救急の基本」として質疑応答を取り入れた講義を行っていただきました。
講義中も熱心にメモをとったり、講義終了後には、興奮さめやらぬ受講者が講師の先生方の元へ訪れ、
熱心に質問をしている姿も見られ、100分の長い講義ながら非常に内容の濃い講義となりました。
「急変」はなくすことはできないけれど、減らすことはできる。
第1部の石松先生には、"三次救急"の観点から、聖路加国際病院の急変への取り組みを中心にお話しいただきました。
同院で設置された「急変ワーキンググループ」による、2011年から2年間の院内急変事例の統計結果を元にした考察は、多くの受講者の関心を集めていました。講義後半には「Team STEPPS」の紹介もあり、エラーを防ぐには、手技や診断スキルだけでなく、コミュニケーションなどのノンテクニカルスキルも重要であるということを喚起されていました。

急変の定義
急変が多い病棟とは?
聖路加国際病院の急変対応と対策
・急変患者の集中治療室滞在期間は
・急変が多いのは平日か週末か
・急変の原因トップ5 など
ノンテクニカルスキルの訓練方法・・「Team STEPPS」
主訴を定めることから、検査を行うまで。
第2部の阿部先生は、"ER""二次救急"の診断の基本についてお話しいただきました。
日常の診療を基本から問い直す内容で、合間に、受講者から事前に寄せられた多くの質問事項にお答えいただきました。熱意あふれる阿部先生は、受講者と近い距離で、質問などの掛け合いをされたり、体をつかって覚える手技なども取り入れて、楽しく学べる講義でした。

1人当直の不安はどこから来るの?・・"Selection Bias"
ERとは
二次救急の診断の基本
受講者からの質問
・良肢位の固定法
・挿管の適用
・ぜんそくの診方
・急性期脳梗塞を疑われるが、夜間MRIが撮れないときの対処法 など
第1部は、石松伸一先生による事例を盛り
込んだエラー対策についての講義 |
非典型的な症例にも対応できる実践方法を
具体的にお話いただきました。
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1部2部ともに受講者が熱心にメモを取る姿が
印象的でした。 |
第2部、阿部先生は受講者との掛け合いも 多く非常に活気のある講義
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受講者からの疑問に所せましと壇上を動いて
ご回答頂きました。 |
講義中の風景。受講者の集中度合いが 伝わってきます。
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