安田
今まさにキャリアで悩まれている先生はたくさんいらっしゃると思います。そういった方々にメッセージをいただけますか。
山本先生
キャリアの選択や転職は、大きな分岐点になります。そうした決断をする際は、たくさん調べて、十分な知識を得てほしいです。
たとえば、「外科がつらいから転科しよう」となったときに、他科の実情はわからないことも多いでしょう。転科して本当に大丈夫かどうか調べたり、職場の先輩や医局の上司、エージェントなど、さまざまな人に相談するのが大切だと思います。
安田
「あのとき知っておけばよかった」とならないためにも、情報収集は大切です。
山本先生
僕自身、通ってきた道しかわかりません。外科医を理解しているつもりでも、それは自分の狭い世界の中だけかもしれなくて。
実は、道は幾通りもあります。だから今、つらい状況の先生方に選択肢はたくさんあるよ、と伝えたい。「外科をやめるしかない」と思っていたのが、さまざまな働き方の選択肢を知ることで、考え方が変わった後輩の先生もいますので。
安田
お一人で考え込んでしまわずに、客観的な視点を取り入れるため周りの方に相談されるのも良いですよね。それこそ、山本先生に相談したい先生もたくさんいらっしゃると思います。
山本先生
大歓迎です!誰かに相談するにしても、医局内やグループの上司となると言いづらいこともあるでしょう。それに、得られる情報が限られてしまうかもしれません。
安田
同じ医局だから相談しづらい、という点はあるでしょうね。
山本先生
僕でよければ、遠慮なく相談してほしいです。外科でも、外科以外でも!関西に限らず全国どの地域、どんな病院のことでも構いません。
安田
それは心強いですね!
山本先生
民間医局さんともお互いの強みを活かしながら、こうしたメッセージを発信し続けたいですね。一人でも多くの先生が外科医の仕事を心から楽しめて、充実したキャリアや医師人生を歩むことができたら嬉しいです。
▶【前編】「外科の楽しさと苦しさ。働く場所をどう選ぶ」を読む
※この対談は2024年3月に行いました。文中の所属・肩書等は対談当時のものです。