医師のキャリアや働き方の変化と共に進化する
『DOCTOR’S MAGAZINE』 の“これまでとこれから”

公開日:2024/10/02

1999年創刊の月刊誌『DOCTOR’S MAGAZINE(ドクターズマガジン)』は、医師や医療機関など医療分野のプロフェッショナルに向けて、メディカル・プリンシプル社が発行するヒューマンドキュメント誌です。

本誌は2024年11月号で「創刊25周年」、2025年1月号で「300号」を迎えます。その特別企画として、医師のキャリアや働き方の変化と共に進化を続けてきた『DOCTOR’S MAGAZINE』の“これまでとこれから”を、編集長の牛尾周朗に聞きました。

民間医局 牛尾

株式会社メディカル・プリンシプル社 取締役 副社長/ドクターズマガジン編集長
牛尾 周朗(うしお・しゅうろう)

2001年、メディカル・プリンシプル社に入社。エージェントとして首都圏を中心に医師の転職支援・アルバイト紹介に従事する。東京支社長、CC事業部長、MCC本部長、執行役員などを歴任し、2014年取締役、2020年に取締役副社長就任。2018年より、ドクターズマガジン編集長を務める。

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『DOCTOR’S MAGAZINE』創刊の背景

── 『DOCTOR’S MAGAZINE』が創刊されたのは、どういった理由からですか。

民間医局を運営するメディカル・プリンシプル社は、1997年1月に医師専門の職業紹介事業者としてスタートしました。

親会社であるクリーク・アンド・リバー社は、映像、ゲーム、Web、法曹、会計、建築といった各分野のプロフェッショナルの方々が、持てる力を最大限に発揮できる環境を提供しています。

クリーク・アンド・リバー社代表取締役会長である井川幸広には、“プロフェッショナル職に就く若い人たちのキャリア形成に貢献したい”という強い想いがあり、それを体現したのが、キャリアのロールモデルとなる人物を紹介するヒューマンドキュメント誌の発行です。

グループ会社でも各プロフェッショナル職のヒューマンドキュメント誌を発行していますが、当社の『DOCTOR’S MAGAZINE』が最初に発行され、一番歴史が長い雑誌となりました。

実は『DOCTOR’S MAGAZINE』の創刊(1999年1月)は、民間医局Webサイトのリリース(2001年1月)よりも早かったんです。創刊当初から医療機関、大学医局、そして民間医局会員の皆さまにお届けし、その数を徐々に増やしていきました。

── 創刊当初は、どのような先生が登場されていたのでしょうか。

『DOCTOR’S MAGAZINE』が創刊されたころは医局制度が非常に強い時代だったので、当時の医師は卒後すぐに大学医局に入局し、医局の人事システムによってキャリアを築くことが前提でした。

そうした時代背景の中でも、大学医局に所属しないことを決め、別の場で活躍されて功績を残している先生方もいらっしゃいました。そのことをキャリアに悩む多くの若い先生方に広く知っていただくために、当時は大学医局に所属していない先生を中心に『DOCTOR’S MAGAZINE』で紹介していました。

── 現在では、所属先に関係なく、さまざまな先生方が登場されています。

創刊から5年後の2004年に初期臨床研修制度が始まり、大学医局以外のキャリアを選択できるようになったことで医師の流動化が大きく進みました。現在では大学医局に所属しない選択をする先生も増えています。キャリアが多様化していったことで、『DOCTOR’S MAGAZINE』でも所属先に関係なく、優れた先生を取り上げていこうというフラットな編集方針に変わっています。

人選については、登場していただく先生の所属先や科目、さらに地域にも偏りがないようバランスには気を配っています。

民間医局の強みの一つは首都圏など特定地域だけではなく、北海道から沖縄まで全国に拠点があり、専任エージェントが在住していることです。そういった意味でも、『DOCTOR’S MAGAZINE』で全国各地の先生や病院をバランスよく紹介することは非常に大切だと感じています。

医師人材紹介会社がドクターの情報誌を発刊する意義

── 人材紹介会社であるメディカル・プリンシプル社が『DOCTOR’S MAGAZINE』を発刊する意義についてお聞かせください。

当社は医師人材紹介会社ですが、我々の仕事は単に医療機関に医師を紹介することではありません。先生方にとって転職は、医師人生における重要な転機です。一人ひとりの先生が理想とするキャリアを歩んでいただき、当社の理念である《ドクターの生涯価値の向上》、《医療機関の価値創造への貢献》を実現することが当社の目指す姿です。

『DOCTOR’S MAGAZINE』では、医療界を代表する医師の生き様をドラマチックに紹介する【ドクターの肖像】をはじめ、【Challenger ―挑戦者―】など各分野でチャレンジングに活躍する医師のキャリアに焦点をあてた記事を発信しています。先生方に数多くの具体例を通して、キャリア形成の描き方を明示できるのは民間医局ならではの強みだと自負しています。

『DOCTOR’S MAGAZINE』を通して、実績のあるすばらしい先生方の姿を発信し続けていくことは、医師人材紹介会社として転職する先生方のキャリア形成に資するだけではありません。理想とするキャリアを実現し、活躍していただく先生が増えていけば、医療機関にも大きな利益をもたらすことになります。

民間医局の理念である《ドクターの生涯価値の向上》、《医療機関の価値創造への貢献》や、ひいては人々の健康と幸せな暮らしの実現につながるものだと感じています。

── 読者(医師)からの評価はいかがでしょうか。

ありがたいことに、たくさんの先生方から好評をいただいております。登場してくださった先生からも、「掲載号が出たとたんに、周りからの反響が大きかった」と伺っています。

最近ではX(旧Twitter)などSNSでも反響は大きく、『DOCTOR’S MAGAZINE』が多くの先生方に“読まれる雑誌”として確立されていることを実感しています。

スーパードクターや名医と呼ばれている先生であっても、大きな挫折や失敗を経験していたり、人生に迷ったり、立ち直ろうともがいたりしています。そうした人間味のある姿や素顔も描くヒューマンドキュメント誌だからこそ、多くの先生方の心に強く響いているのではと思っています。

取材を通して見える、医師のキャリアと働き方の変化

── 創刊から25年の間で医師のキャリアにも変化があったと思います。

『DOCTOR’S MAGAZINE』が創刊された当初、私は編集には携わっておらず、エージェントとしてキャリアに悩まれている多くの先生方と接していました。当時は大学医局の権威が強く、先生方は山崎豊子氏の描いた「白い巨塔」の世界を引きずっている印象がありました。

そうした医療界が大きく変わる最大の転機となったのは、2004年に始まった初期臨床研修制度です。これによって研修先も専門科目の選択も、大学医局に入るか入らないかも自由に選べるようになりました。

制度が始まって20年経った現在では、多様性のある働き方が“当たり前”の時代です。キャリアの選択肢はとても増えて、起業家として活躍する医師も珍しくありません。創刊から25年の間に、医師のキャリアはめまぐるしく変化しましたよね。

── 医師の“働き方”も大きく変わりました。

『DOCTOR’S MAGAZINE』の取材でたくさんの先生方の話を聞いていると、今の時代は一昔前とは全く異なる世界の話に聞こえるほど、働き方も大きく変化しています。

現在は救急の先生でもしっかり休みが取れる勤務先が増えていますし、子育て中であっても、医師を続けるか辞めるかという選択肢ではなく、時短勤務など柔軟な働き方で仕事と子育てを両立しやすくなったと思います。

民間医局への転職相談でも、男性医師から「育児のために週休3日の常勤先を探してください」といったご要望もあります。以前は考えられなかったことです。

── キャリアや働き方の変化に伴い、『DOCTOR’S MAGAZINE』のコンテンツも変化しているのでしょうか。

はい。2018年に新専門医制度が導入され、2024年4月からは医師の働き方改革も施行されました。現在は女性医師の割合も増えており、2023年には医学部医学科に入学した女子学生が4割を超えています。

『DOCTOR’S MAGAZINE』でも、特集記事として新専門医制度や医師の働き方改革を取り上げたり、研修医による座談会、地域医療で活躍する若手医師、多様化する女性医師といった特集を組んだりと、医療制度の変化や時流に合わせて進化させています。

『DOCTOR’S MAGAZINE』を通して、現在とこれからの時代におけるキャリアのモデルケースを多くの先生方に知っていただきたいですね。

── 編集長がエージェント時代に大切にしていたことは何でしょうか。また、エージェントとして大事な資質な何だと思われますか。

私はエージェント時代に2つのことを大切にしていました。先生の本音や考えをしっかり“聞く”こと、そして一人ひとりの先生にとってベストなキャリアを“本気で考える”ことです。この2つは先生との信頼関係を築くために欠かせません。

先生や医療機関から感謝されることは、エージェントとしてこれ以上ない喜びです。それを大きなやりがいとして、昔も今も、民間医局のエージェントは日々、実直な姿勢で先生方や医療機関と向き合っています。

創刊25周年・300号に寄せる思い

── 最後に、創刊25周年・300号に寄せる思いをお聞かせください。

年々、読者も増え、先生方からの反響も大きくなっており、『DOCTOR’S MAGAZINE』の制作・編集に携わってきたスタッフたちの努力はもちろん、これまで登場していただいた先生方や医療機関の協力があってこそだと感じています。

創刊当初の『DOCTOR’S MAGAZINE』は今読み返してみても非常に良い記事であると感じています。医療業界や時代の変化と共に、編集方針や内容も変化しましたが、現在の『DOCTOR’S MAGAZINE』は決して完成形ではありません。
創刊25周年・300号は、『DOCTOR’S MAGAZINE』の長い歴史のなかで読者のみなさんの記憶に残り続けるような記念号にしたいです。

また、記念号は一つの区切りに過ぎません。民間医局の理念である《ドクターの生涯価値の向上》、《医療機関の価値創造への貢献》の実現を目指し、これから先も多くの先生方のキャリア形成と生涯価値の向上に貢献する雑誌として、進化・成長を続けていきたいと思っています。

※この取材は2024年9月に行いました。文中の肩書等は取材当時のものです。

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