辞めたくても辞められない?
転職を断念した医師たちの事情【アンケート結果】

更新日:2022/06/10 公開日:2020/04/03

転職を断念した医師たちの事情

2020年2月に実施した民間医局の医師会員へのアンケートで、直近1年以内に転職したいと思ったことがあるかを聞きました。その結果、「転職したいと思ったが、断念または保留にした」と回答した方が63人、15.4%いました。

「転職したいと思った理由」はよく聞きますが、「転職をあきらめた」「一旦保留にした」医師たちの声はそれほど知られていません。
今回はそんな方たちを対象に、5つの選択肢から該当するものを複数あげてもらいました。医師が転職を断念した事情を、ぜひご覧ください。

調査概要

  • 期間:2020年2月19日(水)~3月1日(日)
  • 方法:民間医局の医師会員にメールを配信、受信者のみ回答できる匿名アンケート
  • 回答数:409

※匿名性を担保するため、回答の一部を変更しています。

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医師が転職を断念した理由の第1位は「自分が抜けると、現職が回らなくなる」

前述のアンケートで「転職したいと思ったが、断念または保留にした」と回答した方だけに、その理由を聞きました。

医師が転職を断念した理由(アンケート結果)
医師が転職を断念した理由(アンケート結果より)

「その他」の主な内訳

  • 転職する時期を決めている
  • まだ在学中
  • 時間がない
  • 専門医取得のため
  • 転職でキャリアがあがると思えなかったため
  • 家庭の事情

第1位は「自分が抜けると、現職が回らなくなる」が24.1%、僅差で「環境が変わることへの不安」22.4%という結果になりました。
続いて「希望にあう転職先が見つからなかった」が20.7%、「現職で引き留められた」が同率で16.4%、「健康上の理由」が8.6%でした。

辞めたいけれど辞められない…医師たちの事情

次に、転職を断念した理由を具体的に回答してもらいました。

自分が抜けると、現職が回らなくなる

  • 「現職は医師数が少なく、辞めづらい」(40代)
  • 「自分以外に医師がいない」(50代)
  • 「血管内治療(IVR)の高いスキルを持つ医師が少ないため」(50代)
  • 「一人で任されている科なので、辞めると職場が回らなくなる」(50代)
  • 「勤務時間が長すぎて転職活動もできない。誰かが辞めると残った同僚にしわ寄せが来る。完全に悪循環」(30代)

環境が変わることへの不安

  • 「今の職場を辞めて同じ地域で働きづらい。今より環境が良くなるかわからない」(30代)
  • 「長年大学病院クラスのところに所属しているため、どうやって転職先を探せばいいのかわからない」(50代)
  • 「高齢のため、良い転職先が見つかるかどうか不安」(60代)
  • 「今の好条件を捨てる決断ができなかった」(60代)

希望に合う転職先が見つからなかった

  • 「転職先の候補としていた病院の内部の情報がつかめなかったため」(40代)
  • 「自分の能力不足からか、今より条件の良い求人が見つからなかった」(40代)
  • 「給与が下がってしまう」(60代)
  • 「面接後、求人情報と違う条件を提示された」(50代)

現職で引き留められた

  • 「予想以上の引き留めにあった。なるべく円満に医局を辞めたいので、様子を見ることに」(40代)
  • 「年収の低さに我慢できず転職活動をしていたが、上司に話したところ給与条件を見直してくれた」(50代)
  • 「意に反する異動で開業を考えたが、その後また異動になり、新しい職場ではきちんと要望を聞き入れてもらえた」(40代)

健康上の理由

  • 「病気療養のため、休職することになった」(40代)
  • 「持病が一時期悪化したため」(40代)
  • 「妊娠したので、医局にいたほうが融通が利きやすい。もうしばらくお世話になろうと思った」(30代)

その他

  • 「診療所を開業中で、勤務医に戻るには閉院の準備など時間が必要なため、いったん保留とした」(60代)
  • 「転職は専門医資格が取れてから、と決めたので」(20代)
  • 「自分で転職先を探して交渉するのは面倒だし、時間がない」(30代)
  • 「ちょうど学位をとるタイミングで、医局を抜けにくい」(30代)
  • 「現在大学院生のため」(30代)
  • 「博士号は欲しいので動けない」(30代)

一人だけでの転職活動は、行き詰まってしまうことも

今の環境を変えたいと思っても、さまざまな事情から転職を断念せざるを得ないケースがあるようです。

医師は比較的転職しやすい職種だと言われていますが、誰もが簡単に転職できるわけではありません。ただでさえ多忙な勤務の合間に、求人を探したり面接や病院見学を繰り返すのはエネルギーを要します。

さらに、ご自身で進むべき道が明確になっている方は良いのですが、キャリアプランが不透明であったり、どういう選択肢があるのかよくわからない場合、お一人で転職活動をしているうちに行き詰りを感じることも少なくないようです。

医師に聞いた転職の失敗エピソードは、こちらの記事をご覧ください。

【医師の転職失敗事例を調査】後悔しない転職活動のポイントも紹介

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