医師が臨床以外で、医師免許を活かせる転職先5選

公開日:2023/04/20

医師が臨床以外で、医師免許を活かせる転職先5選

医師免許を持つ方の大多数は、臨床医として診療に携わります。
しかし数は少ないものの、医師以外の職種へ転職したり、臨床ではない選択肢を選んだりする方もいます。

そこでこの記事では、医師が臨床以外でキャリアを活かせる転職先として、代表的な5つを紹介します。

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医師が臨床以外で、医師免許を活かせる転職先5選

医師が臨床以外で、医師免許を活かせる転職先5選

医師がこれまでのキャリアと医師免許を活かせる、代表的な転職先は以下の5つです。

  • 産業医
  • 製薬会社のメディカルドクター
  • 医療系サービス企業勤務
  • 保健所などの公衆衛生医師
  • 保険会社の社医、診査医

それぞれを詳しく紹介していきます。

産業医

産業医とは、労働者が健康に就労できるように支援、助言を行う医師のことです。
事業者は事業場の規模に応じて産業医を選任し、労働者の健康管理等を行う義務があります。

  • 労働者数50人以上3,000人以下の規模の事業場は1名以上選任
  • 労働者数3,001人以上の規模の事業場は2名以上選任

また、常時1,000人以上の労働者を使用する事業場と、「労働安全衛生規則第13条第1項第2号」で定められた、危険が伴う特殊な事業場に常時500人以上の労働者を従事させる場合は、その事業場に専属の産業医を専任しなければなりません。

産業医になるには、医師であることに加え、厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならないとされています。

(労働安全衛生規則第14条第2項より)

  1. 厚生労働大臣の指定する者(日本医師会、産業医科大学)が行う研修を修了した者
  2. 産業医の養成課程を設置している産業医科大学その他の大学で、厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業し、その大学が行う実習を履修した者
  3. 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験区分が保健衛生である者
  4. 大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授、常勤講師又はこれらの経験者
  5. 前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者

産業医は主に「専属産業医」と「嘱託産業医」に分けられ、働き方や給与体系も異なります。

専属産業医は企業の一員として常勤します。
週4~5日勤務で残業は少なく、当直やオンコールがないため、勤務医に比べるとワークライフバランスの取りやすい働き方と言えます。

一方、嘱託産業医は非常勤で、月1~数回、事業場の訪問や労働者への面接などを実施します。嘱託産業医の多くは開業医や勤務医として医療機関で働きながら、契約した企業数社に対し、産業医業務を行っています。

製薬会社のメディカルドクター

メディカルドクター(MD)とは、製薬会社に勤務する医師のことです。

メディカルドクターの主な業務は、新薬の開発における臨床試験の実施、治験に必要な資料(プロトコールなど)の作成や治験に対し医学的観点からの助言や指導、安全性情報管理(モニタリングやリスクマネジメント)、最新の医学・薬学情報を医療機関に提供するメディカルアフェアーズなど、多岐にわたります。

直接患者を診る臨床とは異なり、新薬の研究開発を通して医療への貢献ができます。

勤務条件は製薬会社によって異なりますが、当直やオンコールがなく、在宅勤務やフレックスタイムを導入している企業もあります。プライベートの時間を確保しながら働きたい方におすすめです。

医療系サービス企業勤務

医療機器や医療用具の販売・レンタル・保守、医療関係のアプリや情報システムの提供、コンサルティングなど、さまざまな角度から医療を支えるサービスがあります。

特に近年は、夜間休日診療のプラットフォームやオンライン診療サービスといった「新たな医療のカタチ」が多数生まれました。

臨床経験や医学知識を活かして、これらのシステムやアプリ、AI開発を手がける企業に勤務したり、起業したりする医師が注目を集めています。

保健所などの公衆衛生医師

公衆衛生医師は、保健所や都道府県庁などの地域保健分野で、公務員として勤務し、地域住民の医療や健康レベルの維持向上のための仕組みづくりを行います。

中でも保健所の所長は、例外的措置をのぞき医師であることが定められています。

保健所で働く場合は、以下のような業務があります。

  • 地域住民の健康維持・増進
  • 保健衛生に関する計画立案
  • 条例制定

全国の自治体で採用されている公衆衛生医師の多くは、数年~数十年の臨床経験を積んでからキャリアチェンジした医師です。
上記の業務において、医師として培ってきた生活習慣病・がん予防に関する知見、医療計画の経験などを活かせるでしょう。

また、公務員なのでワークライフバランスに配慮した制度があり、福利厚生が充実している点も特徴です。

生命保険会社の社医、診査医

医師が医療機関ではなく、生命保険会社の社医として働く道もあります。

業務内容によって「診査医」「査定医」とも呼ばれ、主な業務は以下の3つに分かれます。

  • 保険加入希望者の診査
  • 保険加入希望者の提出書類をもとに、引受査定
  • 保険金支払いにおける査定

社医は生命保険の公平性を担保するために、不可欠な存在です。

社医の勤務条件は企業によって異なりますが、常勤の場合、平日週5日勤務で専門科目不問のケースが多いです。

医師が臨床以外へ転職する際の注意点

医師の転職を成功させるためのスケジュール

医師が他職種へ転職することは、臨床業務から離れることを意味します。あらかじめ考慮しておきましょう。

嘱託産業医や一般企業勤務であれば、アルバイトで臨床業務を行うことができます。
しかし公務員である公衆衛生医師や、一般企業でも勤務先の就業規則によっては、アルバイトを禁止されているケースが少なくないです。

また、転職することで勤務医時代よりも年収が下がってしまう可能性もあります。

その分、勤務医のような当直やオンコールがないため、プライベートと両立しやすいでしょう。福利厚生や手当などが充実している勤務先も多いため、ワークライフバランスを重視した働き方を希望する方におすすめです。

臨床以外や他職種へのキャリアチェンジは、転職エージェントに相談を

医師が臨床以外の仕事への転職や、他職種へのキャリアチェンジを検討する際は、仕事内容や勤務条件をしっかり確認することはもちろん、自分のスキルや経験を活かせる仕事か慎重に考えることが大切です。

転職を考えている業界についてより深く知りたい、転職に関して客観的なアドバイスが欲しいといった場合は、医師専門の転職エージェントの利用がおすすめです。

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