更新日:2023/02/22 公開日:2022/10/05 転職ではじめて履歴書・職務経歴書が必要になって、どう書けばいいのか悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。 人材紹介会社を利用した転職では、エージェントがお忙しい先生に代わって応募書類を用意することが多いですが、募集元によっては医師ご自身での作成を求められるケースもあります。 もちろん、友人・知人の紹介や直接応募の場合は、ご自身で準備が必要です。 そこでこの記事では、採用担当者が好印象を持つ履歴書の書き方を徹底解説します。 悩みがちな「志望動機」や「学歴・職歴」も、見本とポイント解説を見ながらスムーズに書くことができます。 今は転職を考えていない方でも、ご自身のキャリアの棚卸しや、寄稿・講演などで使うプロフィールの作成にも役立ちますので、ぜひ参考にしてください。 目次 履歴書テンプレート 履歴書の見本と、書き方の基本ルール 履歴書を書くときの確認ポイント 履歴書を提出・送付時のマナー 採用担当者は履歴書からスキル、実績、考え方などを見ている 履歴書テンプレート 応募先によって履歴書のフォーマットや作成方法が指定されている場合を除けば、テンプレートは自由です。自作しても構いませんが、特にこだわりがなければ、厚生労働省やJIS規格のテンプレートを使うとよいでしょう。 厚生労働省が作成したテンプレートは、「厚生労働省履歴書様式例」と呼ばれるものです。2020年7月に日本規格協会がJIS規格の様式例から履歴書様式例を削除したため、2021年4月に作成されました。 JIS規格の様式例との相違点は以下の2点です。 性別欄は任意記載欄性自認の多様な在り方に対応するため、「男・女」の選択ではなく任意記載欄となりました。 下記4項目は設けず「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」は応募者のプライバシー要素が高い情報であるため、項目欄を設けていません。 参照:厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」 履歴書の見本と、書き方の基本ルール ここでは、厚生労働省のテンプレートを用いた見本をご紹介します。 応募先から指定がない場合、履歴書は手書きとパソコンのどちらで作成しても構いません。履歴書で間違った記載をしてしまうと、故意でなくとも学歴・経歴詐称になる可能性がありますので、注意しましょう。 医師転職における履歴書の見本 ①日付、氏名、年齢、写真 履歴書を書いた日ではなく、「応募先に提出する日」を記入。郵送なら郵送日、持参なら訪問日。 すべての記入欄で、年号表記を西暦・和暦のどちらかに統一する。 氏名は略字を使用せず、戸籍登録の文字(字体)で正確に。 年齢は、履歴書の提出日(送付日)時点の年齢を記入。 写真は3ヶ月以内に撮影したものを貼付。カジュアルな写真やカラーコピーはNG。 服装はスーツやジャケットなどフォーマルなもので。 ②住所、電話番号、メールアドレス 住所は都道府県名から記入。建物名や部屋番号も省略せず、正確に。数字は算用数字を用いる。 電話番号は、固定電話がない場合は携帯電話のみでも問題なし。日中連絡が取りやすい番号を記入する。 メールアドレスは、Gmail、Yahoo!メールなどのフリーメールでも問題なし。 携帯電話のキャリアメールを使用する場合は、医療機関など法人からの返信がブロックされないよう、設定を見直しておくこと。 現勤務先のメールアドレスは記載しない。 ③学歴 1行目の中央に「学歴」と書き、次の行から学歴を記入する。 学歴は高等学校卒業から記入する。 学校名は略さずに正式名称で(高校は私立・国公立の区分も)記入する。 学校名が変更されている場合は、旧名で記載したあとに新名称を書いて補足する。例:私立▲▲高等学校(現・私立○○高等学校)/▲▲大学医学部(現・▲▲大学医学部医学科) ④職歴 1行目の中央に「職歴」と書き、次の行から年代順に職歴を記入する。 勤務した病院が名称変更されている場合は、旧名で記載したあとに新名称を書いて補足する。 例:▲▲大学医学部附属病院(現・▲▲大学病院) 所属部署、雇用形態、部署異動や昇格についても記入する。 ブランク(無職期間)を書く必要はないが、研究などの海外留学は記入する。 外国での経歴は国名の記載と、名称などはアルファベットとカタカナを併記。 退職日が決まっている場合は「退職予定」と記入する。 職歴の最後は右寄せで「以上」と記入する。 医局人事の異動は、わかるように書くべき? 職歴を見ただけでは、医局人事の異動か採用担当者も判断つかない場合がある。履歴書の職歴欄または職務経歴書に「医局人事による異動」と記入するのがおすすめ。 例:△△市立△△市民病院 内科 医員(医局人事による異動) ⑤免許・資格 先に運転免許を取得順に書き、その後に他の免許・資格を取得順に記入する。 医師国家試験の合格を記入し、第何回の試験なのか、医籍登録番号も必ず併記する。 認定医、専門医、指導医などの取得もここに記入する。 ⑥志望動機、自己PRなど 「数ある医療機関からなぜ、ここを選んで応募したのか」を簡潔にまとめる。 「ここでなら力を存分に発揮できる」ことを、資格、経験、実績を根拠に具体的なエピソードを交えて伝える。 文章の語尾は、礼儀正しく誠実なイメージを与える「です・ます調」。 ⑦本人希望欄 特になければ「貴院の規定に準じます。」と記入する。 子育てや介護などの事情で勤務条件に希望がある場合は、理由も添えて記入するとよい。 ※次に紹介する「通勤時間、最寄り駅」「特技、趣味、得意科目」「賞罰」の3項目は、このページの履歴書見本には記入欄がありません。項目のあるテンプレートを使用する際、参考にしてください。 通勤時間、最寄り駅 通勤時間は、自宅から職場までの片道の所要時間を5分単位で。 自宅からの交通手段(電車or自家用車or自転車or徒歩)も記入する。 最寄り駅は自宅から最も近い駅で、「JR山手線●●駅」など路線名も記入する。 特技、趣味、得意科目 選考に大きな影響を与えないが、特技や趣味、得意科目は個性や人柄を伝え、面接時に会話が弾む材料にもなるため、しっかり記入する。 賞罰 ない場合は「なし」、次の行に右寄せで「以上」と記入する。 賞(受賞歴・表彰歴)がある場合は、全国・国際レベル大会の入賞、国や都道府県からの表彰を基準に記入する。 罰(犯罪歴)がある場合は、略さずに記入する。 職務経歴書の書き方も見てみる 履歴書を書くときの確認ポイント 準備 応募先からの指定、提出方法を確認 応募先によっては履歴書のフォーマットや作成方法が指定されている場合があります。応募書類の提出方法(郵送orメールor持参)も異なるので、必ず確認しておきましょう。 メールで提出する場合は、PDFに変換して送信します。 職歴・経験の整理と、下書き パソコンなどで、これまでの職歴や実績、志望動機で伝えたい内容を整理してから、下書きをしましょう。 志望動機や自己PRといった文章の作成は、最初は思いつくままどんどん書き出し、推敲を重ねながら文字数を調整します。 年号は統一 西暦・和暦、どちらを使用しても構いませんが、履歴書だけではなく、職務経歴書など応募書類全体で統一します。 フォント、文字サイズ 採用担当者が読みやすいように、フォントや文字サイズを統一しましょう。特にこだわりがなければ、パソコンに標準搭載されているフォント(明朝体・ゴシック体)がおすすめです。 Windows:MS明朝、MSゴシック Mac:ヒラギノ明朝、ヒラギノ角ゴ 作成後のチェックリスト 履歴書を書き上げたら、以下のチェックリストで、ミスや記入漏れがないか入念に確認しましょう。 誤字・脱字がないか ※パソコン作成の場合は印刷し、一文字一文字をペン先などで追いながら確認すると誤字が見つけやすい ※修正液や二重線での訂正はしない 空欄なく記入されているか 写真は貼付されているか(写真裏面には氏名を記入) 学校名、勤務先名、資格名などの固有名詞は正式名称で記入されているか 入学・卒業年度、入職・退職年、資格取得年に誤りはないか 内容に即した回答、応募先が求める人物像にマッチした内容が書けているか 自己PRや志望動機などの文章の語尾は「です・ます調」で統一されているか 履歴書を提出・送付時のマナー 送付状を添える 送付状とは、履歴書や職務経歴書などを応募先へ郵送する際に同封する書類のことで、「採用担当者への挨拶」と「同封した応募書類の内容を伝えるもの」です。応募書類の一番上に添えて同封しますが、持参する場合は不要です。 送付状はA4サイズが基本で、書き方はビジネスマナーとして統一されています。「履歴書 送付状」とWeb検索すればフォーマットが出てくるので、参考にしましょう。 封筒 封筒は応募書類に折り目がつかないように、定形外の白封筒(角A4・角2など)を使用します。応募書類は汚れないようクリアファイルに挟んで封筒に入れましょう。 部署宛に送る場合は「御中」、採用担当者個人宛に送る場合は「様」を使用します。 封筒表の左下に、「応募書類在中」と記入し、封筒裏には自分の住所・氏名を記入します。 面接で採用担当者に直接手渡しする場合も封筒を用意しますが、その際は履歴書を封筒から出して手渡しするようにします。 郵送する場合のチェックリスト 手書きの場合は、履歴書提出前にコピーをとる 封筒の宛先・担当部署・担当者名は正しいか、誤字はないか 送付状を同封したか 郵便切手は正しい金額のものか 採用担当者は履歴書からスキル、実績、考え方などを見ている 採用担当者は、勤務してきた病院の知名度などで医師を評価するわけではありません。 履歴書や職務経歴書でチェックしているのは、どのような経験や実績を積み、どのようなスキルを獲得してきたかです。 外科医であるなら、どのような症例を、どのような術式で、どれくらいの執刀症例数を経験してきたかなど、これまでの実績や業務内容が重視されます。 応募先が求めている人物像に合致したものをアピールすることで、採用担当者から大きな評価を得ることができるでしょう。 そのためにも、まずは応募先がどのようなスキルや実績、そして医療に対する考え方や働き方を求めているのか、理解することが大切です。 募集条件の確認はもちろん、応募先のホームページなどで、その医療機関や企業の特徴、強み、方向性も把握しておきましょう。 特に「理事長・院長の挨拶」ページには、それらを知るうえで大切な要素がたくさん盛り込まれています。 事前に応募先を入念に調べることで、自分にとって最適な勤務先かどうかを判断しやすくなりますし、採用のミスマッチや入職後の早期退職防止にも繋がります。 応募先がどのような特徴の医療機関・企業であるのか、どのような医師を求めているのか、さらに踏み込んで知りたい方は転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。 医師人材紹介会社の民間医局は全国に拠点を持ち、エージェントが医療機関に足繁く通うことで最新の情報を入手しています。求人情報だけではわからない医療機関の事情をお伝えしたり、採用担当者の視点も考慮した応募書類の作成方法をアドバイスできます。 ▶ 履歴書の書き方や面接対策を医師転職のプロに相談してみる 職務経歴書の書き方も見てみる 今の働き方を変えたい。でも何から始めたらいい? 「転職する」と決めていなくても民間医局にお気軽にご相談ください 医師転職のプロが求人紹介からスケジュール調整、条件交渉まで後悔のない転職活動をサポートします エージェントに相談する(無料) あわせて読みたい 失敗しない!はじめての医師転職ガイド【保存版】 円満に医局を辞める方法と、トラブル回避のための注意点 転職エージェントサービスとは 医師転職エージェントとの面談内容は? 都道府県別の転職市場動向・求人 医師転職のおすすめ求人特集 医師の転職に適したタイミングはいつ?ベストな転職時期や具体的なスケジュールも解説 辞めたくても辞められない?転職を断念した医師たちの事情【アンケート結果】 医師が転職したいと思った理由は?【アンケート結果】 医師の平均年収は?年齢・診療科・地域別ランキングと年収アップの秘訣 医師転職の求人を探す 当直なしの常勤求人 ゆったり勤務の常勤求人 クリニックの常勤求人 症例数充実の常勤求人 お役立ち情報TOPへ戻る