医師転職エージェントとの面談内容は?

更新日:2023/03/20 公開日:2023/03/16

医師転職エージェントとの面談内容は?

民間医局をはじめとする人材紹介会社に登録すると、転職エージェントとの面談があります。人材紹介会社によっては、「キャリアカウンセリング」とも呼ばれています。
対面だけでなく、近年はWebのオンライン面談も増えてきていますが、ちょっと「面倒」に感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

転職エージェントは、はじめて転職活動をする方や転職に迷いのある方にとって、心強い味方になります。
面談はそんな転職エージェントを味方につけ、転職成功への第一歩となる大切な場です。

この記事では民間医局を例に、面談の流れやよくある質問を紹介します。

転職エージェントプロフィール写真

記事監修

民間医局 メディカル・プリンシプル社
首都圏FAディビジョン 主席シニア・エージェント
松尾 大祐
(まつお・だいすけ)

2013年、株式会社メディカル・プリンシプル社に中途入社。エージェントとして、主に首都圏で毎年100名以上の医師紹介・キャリアコンサルティングを担当。自治体・大学・市中病院における臨床研修医・専攻医の採用活動支援にも携わる。現在は首都圏の1都7県で医師のキャリアコンサルティングに従事している。

「医師の生涯価値向上をモットーとし、誠実で思いやりのある行動を心がけています」

キャリアに関するお悩みやご相談はこちらから

面談、キャリアカウンセリングの目的

面談の目的は、転職エージェントが先生の現状と希望を正しく理解することです。

転職エージェントとの面談は、「面接」ではありません。
転職エージェントは先生の代理人ですから、転職を成功に導くためには、先生と認識を合わせる必要があります。
先生の状況や希望を把握し、お悩みを解決するために転職・アルバイト先を探したり、将来のキャリアプランを一緒に考えたりするのが、転職エージェントの役割です。

また、転職エージェントは医療機関に医師を紹介する際、「どのような先生か」を聞かれます。そのときに書類だけではわからないお人柄やスキル、経験を伝えて、先生をより良く推薦するためにも、面談は欠かせません。

しかし、面談でご自身を必要以上に良く見せようとする必要はありません。現在の勤務状況や経歴、転職理由や希望条件など、率直にお話しください。

転職エージェントとの面談の流れ

STEP1 自己紹介

STEP1 自己紹介

先生と転職エージェントがお互いに自己紹介するところから、面談が始まります。

面談は、より良い求人やアドバイスを提供するために、転職エージェントが先生について理解を深める時間です。
先生にとっても、「このエージェントに自分の転職・アルバイト先探しを任せて大丈夫か」を判断する場となります。
転職エージェントの人となりを確認し、気になることがあればなんでもお尋ねください。

STEP2 これまでの経歴や職歴の確認

STEP2 これまでの経歴や職歴の確認

過去から現在までの経歴や勤務内容を確認します。勤務先の体制、担当患者数、経験した症例数や手技などを、詳しく伺います。
これまでどのような役割を担い、どのようなスキルや経験を磨いてきたのかを整理する、「キャリアの棚卸し」です。

ご自身では気づけない強みやアピールポイントが、転職エージェントとのやりとりを通じて見つかることもあるでしょう。

STEP3 転職やアルバイトを探す理由と、目指すキャリアの共有

STEP3 転職やアルバイトを探す理由

転職やアルバイトを考えるに至ったきっかけや現勤務先での不満、悩みを伺います。

そして転職後にどのようなキャリアを築いていきたいのか、どのような人生を思い描いているのかを明らかにしていきます。
目指すキャリアが曖昧なままでは、転職してもミスマッチになってしまう恐れがあります。

「転職したいけれど、どの病院が合うのかわからない」「どのような選択肢があるか見当もつかない」という先生も、ご安心ください。
転職エージェントが、先生と似た経歴・職歴を持った方などの事例を紹介したり、転職市場の状況をお伝えしたりしますので、5年後、10年後のキャリアを具体的にイメージしやすくなります。

STEP4 希望条件の確認

STEP4 希望条件の確認

勤務地、診療科目、給与、勤務内容、当直やオンコールの有無、福利厚生などの希望条件を確認します。
「こんなに条件を出したら高望みと思われる?」と心配されるかもしれませんが、気にせず、本音をお話しください。

先生の本音をエージェントが理解することで、医療機関側から先生の希望に合う勤務条件を引き出しやすくなりますし、ミスマッチを防ぐことにも繋がります。

希望条件の中で「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を整理しながら、優先順位をエージェントと決めていきます。

STEP5 求人案件の紹介

STEP5 求人案件の紹介

ここまで伺った情報をもとに、先生の希望条件や将来のキャリアプランに沿って、強みや実績を活かせる求人案件を紹介します。
その場で具体的な求人案件が提案される場合もあれば、後日改めて、最新の募集状況を医療機関に確認したうえでご案内するケースもあります。

特に転職となると、先生お一人おひとりで勤務条件や勤務内容が変わることも多いです。そこで医療機関と交渉・相談し、先生に合わせて求人情報をカスタマイズすることもあります。

転職エージェントが紹介する求人はあくまでも「提案」ですので、応募を強制するものではありません。
「この求人は自分には合わない」と思ったら、どのような点が合わないのか率直にお知らせください。本音をお伝えいただくことで、より先生の希望にマッチした求人が見つかりやすくなります。

面談の事前準備、何が必要?

 

日時

カレンダーアイコン

  • お仕事帰りなど、ご都合の良い日時をお知らせください。
  • 非常勤希望の場合は、休憩時間を利用する先生もいらっしゃいます。

 

持ち物

免許証アイコン

  • 履歴書や職務経歴書があれば、お持ちください。
    事前に民間医局のマイページから、履歴書・職務経歴をご登録いただくとスムーズです。
  • 本人確認のため、顔写真付きの身分証明書の提示をお願いしております。
  • そのほかの持ち物は、面談予定が決まり次第ご案内します。

 

服装

男性アイコン

  • 面接ではないので、ラフな服装でお越しください。
  • スーツやジャケットを着用する必要はありません。

 

場所

カフェアイコン

  • 先生のご自宅近くや、勤務先の帰り道など、ご都合の良いエリアをご指定ください。
  • 静かなカフェやホテルのラウンジでお会いすることが多いです。
  • 民間医局は全国各地に拠点があるため、来社される方もいらっしゃいます。
  • エージェントが店を選ぶ場合、席の間隔が広めのカフェや、静かでゆっくり話しやすいカフェを選ぶようにしています。

こんな方こそ、転職エージェントに相談がおすすめ

転職エージェントの相談がおすすめ

最近は、転職エージェントを利用してお仕事探しをする方法が一般的になっています。
しかし中には、「無理に転職を勧められるのでは?」「頻繁に連絡が来て面倒」など、敬遠したくなってしまう方もいるでしょう。

そこで「こんな方にこそ、転職エージェントの利用がおすすめ」なケースを挙げてみました。


はじめて転職する

はじめて転職する場合、何から手を付けたらいいのかわからない方がほとんどではないでしょうか。
特に医局を離れる転職は、「医局なしで勤務先が見つかるのか」「強い引き留めに合うのでは」といった不安が付きものです。
そんな方こそ、転職エージェントをご利用ください。

なかでも私たち民間医局はレジナビを運営していることから、若手医師の会員が多く、これまでも多数の「はじめての転職」を支援してきました。その実績をもとに、余裕のあるスケジュールの立て方や退局の伝え方などをアドバイスできます。

転職スケジュールやおさえておきたい注意点は、こちらの記事を参考にしてください。

失敗しない!はじめての医師転職ガイド


キャリアチェンジ、転科を考えている

訪問診療や産業医、メディカルドクターといった選択肢が注目を集めています。

ご自身の興味や志向、ご家庭の事情や将来を踏まえてこれらにキャリアチェンジする方や、転科を志す先生も少なくありません。

専門科目を変えずに転職する場合は、求人情報を見ただけでご自身の条件に合うか、ある程度は判断できると思います。
しかし未経験の分野では、具体的にわからないことが多いです。

転職エージェントは先生の代理人として、募集側に「未経験でもよいか」「教育体制はどのようになっているのか」といったことをヒアリングします。 効率的に情報収集でき、キャリアチェンジへの不安が和らぐでしょう。

民間医局では訪問診療や産業医、転科などの転職成功事例がたくさんありますので、傾向と対策をアドバイスできます。


転職理由がネガティブ

前向きな転職理由の方ばかりではありません。
「当直や残業が多い」「給与が低い」「人間関係で疲れた」といった、ネガティブに思われがちな理由から、転職を考える方も多いです。

転職理由をそのまま伝えるのではなく、現勤務先の勤務体制や具体的なエピソードを添えることで、採用側もポジティブに受け止められることがあります。

ほかの医師がどのような理由で転職を考えるのか、気になる方はこちら。

医師の主な転職理由8つと、「もう無理」と思った瞬間は?【アンケート結果】


転職するか迷っている

「今の環境に満足できず、変えたい」と思っても、実際に転職に踏み切るのは勇気が必要です。
転職するかどうか迷っている状態でも、お気軽にご相談ください。転職エージェントが先生にとってベストな選択肢を一緒に考えます。

「絶対に転職する!」と決意の固い先生であっても、転職活動をした結果、現職に留まる方も少なくないです。
最新の転職市場の動向や、どういった人材が求められているかなどの情報収集をしながら、選択肢を広げましょう。


すでに転職活動している

ご自身で転職活動をされていたり、他の人材紹介会社を利用されていたりする方も、気兼ねなくご相談ください。
転職活動の状況や、困っていることを教えていただければ、別の提案ができるかもしれません。

面談に関するよくある質問

時間はどれくらいかかりますか?

45~60分程度です。
次の予定がある場合は、事前にお知らせいただけるとスムーズです。

オンラインや電話面談はできますか?

できれば直接お会いして、お話ししたいと思っております。
対面が難しい場合は、オンライン面談をお願いしております。

紹介された求人は断っても大丈夫ですか?

もちろん、求人紹介はあくまで「提案」ですので、応募するかどうかは先生の自由です。
医療機関との面接後に、「イメージと違った」とお断りされる方もいらっしゃいます。
転職エージェントにその旨をご連絡いただければ、エージェントから先方に連絡しますのでお手間は取らせません。

「求人案件のこの部分が合わなかった」や、「この部分が気になる」といったお断りの理由もお知らせいただけると、次回、紹介する際の参考になります。

転職活動していることを、周りに知られないようにできますか?

秘密は厳守しますのでご安心ください。転職やアルバイトの応募で医療機関に個人情報を開示する場合も、事前に先生にご確認いただいたうえで行います。
また、先生へのご連絡方法は「電話は困る、メールだけにしてほしい」といったご要望も承ります。先生の転職活動が周囲に知られないよう、留意いたします。

エージェントに聞きました!先生との面談で心がけていることは?

男性エージェント

関西担当エージェント

面談前におおまかなご希望を伺っておき、合いそうな求人情報をピックアップします。この求人が合わなければこちら、とその場で提案できるようにさまざまな条件で探します。先生の個人情報は伏せたままで、医療機関側に募集状況や詳細を確認しておくこともあります」

男性のエージェントアイコン

九州担当エージェント

「傾聴を心がけていますね。そして希望条件の優先順位を客観的に整理し、認識の相違がないようすり合わせをします。面談後に求人情報を送る際は、募集背景や医師・スタッフの体制、症例数など先生が知りたいことを医療機関にヒアリングしたうえで紹介しています」

女性のエージェントアイコン

首都圏担当エージェント

「面談では、先生が話しやすい雰囲気づくりを常に心がけています。街中のカフェだとどうしても人目があるので、支社の応接室に来ていただくこともあります」

転職エージェントとの面談は、転職成功への第一歩

転職エージェントとの面談は、これまでの経歴やスキル、転職に至った背景や希望条件を共有することで、最適な求人を見つけるための大事な場です。
また、最新の転職市場や、どのような求人ニーズが増えているかなどの情報もお伝えします。

数々の医師の転職をサポートしてきた転職エージェントを上手に活用することで、一人で転職活動するよりも多くの情報を得られ、理想の転職先が見つかる可能性が広がります。

転職成功への第一歩として、転職エージェントとの面談をご活用ください。

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