群馬県の医師転職市場や年収相場は?

更新日:2022/06/17 公開日:2021/12/10

群馬県は日本のほぼ中心、東京から100km圏内に位置しています。
人口は約194万人、上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)や尾瀬などの自然に恵まれ、草津温泉や伊香保温泉など名湯がたくさんあります。
高崎駅から東京駅までは新幹線で約50分とアクセスも良好です。首都圏への通勤や、2拠点生活もできます。

この記事では、群馬県で転職や移住を考える医師のために、最新の転職市場や転職成功のポイントを解説します。

目次

群馬県の医師転職市場の動向

はじめに、群馬県の医療機関の特徴をご紹介します。

内科系は他エリア同様にまんべんなく分布しており、外科系も充実していると思います。首都圏に比べると、小規模な医療機関でも外科手術を行っている施設が多くあります。
他科系に限っては、大学やハイボリュームセンターに集中していると思います。

群馬県では高度急性期・急性期・慢性期の病床が必要病床数を超過する一方、回復期が必要数に相当足りていないという医療需要の推計も出ています。各医療機関は病床転換等も検討していますし、病医院の併合による医療機能の転換等も進むと予想されます。現在の特徴も変わっていくでしょう。

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、群馬県の医療施設に従事する医師数は4,457人で、全国では18番目の多さです。しかし人口10万人に対する医師数は228.3 人(全国32位)で、全国平均246.7人を大きく下回ります。

県全体で勤務医の確保が急務ですが、地域による医師偏在も大きな課題です。高度・専門医療を志す医師の多くは、県庁所在地で群馬大学のある前橋市など都市部に集中し、太田・館林や吾妻医療圏は医師不足が慢性化しています。

県内の求人は内科系が圧倒的に多く、次いで外科系となります。他科系求人は減少傾向にあります。

首都圏に比べれば地元大学の影響力は大きいと思いますが、最近では一部を除くほとんどの医療機関が、独自に医師を採用している状況です。やはり学閥色が強いと外部から採用できないケースが増えるため、学閥という考え方は薄れてきているように感じます。

また、以前は医局を退職した後の選択肢は非常に少なかったですが、最近では幅広い選択肢があります。医局を辞めて、はじめてご自身で転職活動される先生のサポートも承っておりますので、ぜひ民間医局にお声がけください。

群馬県で求められる人材とは

コミュニケーション能力を重要視している医療機関が多いと感じています。
専門医や特定分野での功績ももちろん評価されていますが、それ以上に、患者さんやスタッフと円滑なコミュニケーションができるか否かが、採用する側の注視しているポイントです。

都市部は専門に特化した求人が多いです。郊外は専門を問わず、広く「内科系」「外科系」というくくりの求人が多い状況です。
高齢者が増加しているのは都市部も郊外も変わりません。他県と同様に、高度医療よりも高齢者医療への需要が高くなってきています。

群馬県は前橋医療圏が圧倒的に医師数が多く、伊勢崎・太田館林・吾妻医療圏は相対的に医師数が少ない地域です。それらの地域は比較的好条件になりやすく、地域からの期待も大きいため、やりがいも感じられるでしょう。

群馬県は、遊びやレジャーを大切にする大人が、メリハリをつけて働くのに絶好の場だと思います。

プライベートでは、国内有数の温泉地やキャンプ場、釣り場、スキー場、軽井沢まで新幹線で15分の立地等々、お出かけするネタは尽きません。
また、高崎・東京間は新幹線で50分程度ですから、首都圏で行われる会議にも毎週参加できます。

「仕事と遊びを両立して健康的な毎日を送りたい」方や、「首都圏へラクにアクセスできる立地にいながら自然を体感したい」先生は、ぜひ群馬県の求人をチェックしてみてください。

群馬県の医師の平均年収

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、群馬県の医師平均年収は1,819.4万円(平均年齢56.7歳、勤続年数15.3年)です。全国の医師平均年収1,440.3万円を大きく上回ります。
しかし調査対象である群馬県の医師の勤続年数は全国平均の2倍以上、平均年齢も10歳以上高いため、一概に群馬県の給与水準が高いとは言い切れません。

県内では高崎市、前橋市などの主要都市は年収相場がやや低い傾向にあります。
また、レジデントなどの若手医師は平均より低水準で、医長や部長職といった管理職クラスが高水準になるのは、他県と同様でしょう。

医師の平均年収グラフ(関東圏)

医師の平均年収比較

群馬県 全国
男女 1,819.4万円
(56.7 歳、勤続15.3年)
1,440.3万円
(45.5歳、勤続7.1年)
男性 1,832.5万円
(57.3歳、勤続15.0年)
1,522.5万円
(47.2歳、勤続7.9年)
女性 1,710.6万円
(51.1歳、勤続17.8年)
1,188.3万円
(40.6歳、勤続5.0年)

※カッコ内の年齢は調査対象となった医師の平均年齢、年数は平均勤続年数

一般的に勤務医では、「1,800万円」が高額年収と呼ばれるボーダーラインです。
民間医局で群馬県の常勤求人を検索してみると、約270件のうち、「1,800万円以上」は189件、「2,000万円以上」は96件ありました(2022年04月08日時点)。

医師の皆さまの転職活動をサポートする民間医局では、待遇・勤務内容ともにご満足いただくことを目指し、エージェントが先生のご希望に沿って医療機関と交渉します。
転職をお考えでしたら、お気軽にご相談ください。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

群馬県
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群馬県の医療状況

医療機関

厚生労働省の「令和元年医療施設調査」によると、群馬県の病院数は130施設で全国23位。人口10万人あたりの病院数も6.7施設(全国27位)で、全国平均6.6施設とほぼ同程度です。
一般病院が117施設、精神科病院が13施設、病床総数(一般・精神・療養病床など)は23,904床です。

二次医療圏は10圏域に分かれます。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 病院の病床数 診療所数
群馬県全体 130 23,904 1,551
前橋 21 4,391 334
渋川 10 2,183 73
伊勢崎 11 2,701 167
高崎・安中 32 4,578 383
藤岡 5 902 48
富岡 4 1,051 59
吾妻 9 1,377 34
沼田 7 962 57
桐生 12 2,137 133
太田・館林 19 3,622 263

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

群馬県では、医師確保や地域・診療科偏在を解消するため、オール群馬体制で取り組む「ぐんま総合医会」を立ち上げ、研修医や若手医師の育成をサポートしています。

  • 「群馬県地域医療支援センター」によるキャリア形成支援
  • 子育て中の医師支援のための、医師会による「保育サポーターバンク事業」
  • ドクターバンク

生活環境の魅力

群馬県は物価が安く、暮らしやすいエリアです。
総務省の「小売物価統計調査(構造編)2020年」によると、群馬県の物価水準は全国で2番目に低い96.7(全国平均=100)。全国で最も高い東京都は105.2で、群馬県は東京都より8.5ポイントも低い結果となりました。中でも住居費が安価な傾向にあります。

製造業が盛んで、2018年度の県民1人あたりの所得は328万円、全国8位と高いです。(内閣府「県民経済計算」)

住みやすい街

高崎市周辺、前橋市周辺は医師の方が多く住んでいる地域です。
前橋市は県庁所在地で大学病院があります。
高崎市は新幹線で都内まで50分という好立地が人気で、県内最大の人口を誇ります。
いずれも駅周辺には住宅地が広がり、商業施設も多く、生活するうえで困ることはないでしょう。

交通アクセス

群馬県は自動車1台当たり人口は1.12人で全国1位、1世帯当たりの自動車保有台数は2.09台というデータが物語るように、全国屈指の車社会と言えます。
確かに自家用車があった方が行動範囲も広がり便利ですが、必要な時だけカーシェアやレンタカーを使う方も多いです。

前橋市、高崎市などの都市部は公共交通機関が発達しています。

観光、レジャー

日本有数の温泉大国である群馬県。草津、伊香保、水上、万座、四万の5大温泉を筆頭に個性豊かな温泉地が人々を魅了します。
夏は登山にラフティング、冬はスキーにスノーボードと、さまざまなアクティビティで雄大な自然を体感できます。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

2021年4月時点の群馬県の待機児童数は4人(待機児童率0.01%)と極めて少ないです。第3子以降3歳未満児保育料免除事業、私立幼稚園における保育料等の補助、子どもの医療費助成などさまざまな支援制度があり、仕事と育児を両立しやすい環境と言えます。

群馬県は学区制がなく、公立の教育水準の高さが目立ちます。前橋高校、高崎高校、太田高校、高崎女子高校、前橋女子高校、中央中等教育学校など、医学部進学率や国公立大学進学率の高い高校が多数あります。なかでも前橋高校が群を抜いているという声が多いと感じます。

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群馬県での
医師転職成功事例

急性期からケアミックス型へ

総合診療科 30代後半男性

Before

年収 1,500万円
専門科目 総合診療科
施設形態 大学病院
勤務日数 週5.5日、当直あり

総合的な地域包括ケアに携わりたい

急性期の最前線で働いてきたため、急性期を過ぎた患者さんを診る機会に恵まれず。回復期・慢性期を含めて、総合的に地域包括ケアに携わりたいと思いました。

After

年収 1,800万円
専門科目 総合診療科・一般内科
施設形態 ケアミックス型病院
勤務日数 週4.5日、当直なし

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前職のスキルを活かし、転職先施設で新たな学会認定を取得。その功績で部長に昇進。年収アップに加え、キャリアアップもできました。

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群馬県での転職についてよくある質問

ほかのエリアから移住や転職を考える場合、気を付けるポイントはありますか?

群馬県は他県からの移住であっても、スムーズに溶け込めると思います。私自身、東京都から転居してきましたが1ヶ月もしないうちに慣れました。私は北海道、東北、関東、九州とさまざまな地域で居住経験がありますが、群馬県は生活環境のバランスが良くて困ることはほとんどありません。
ここ数年で首都圏から群馬県に移住する医師が増えており、キャリアチェンジのお手伝いをする方の半数程度が他県の方となっています。今後も増加していくだろうと推測しています。

転職エージェントを利用するメリットは?

情報収集や非公開求人のご紹介はもちろん、条件交渉や内定後の辞退の連絡など、エージェントが医療機関との間に入って調整いたします。 また、民間医局のエージェントは面接時に同行しますのでご安心ください。

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