長崎県の医師転職市場や年収相場は?

公開日:2022/04/12

長崎県は九州本島の北西部と五島列島、対馬、壱岐などの島々からなります。平地が少なく海岸線は複雑な形で、その長さは北海道に次ぐ全国2位です。
自然や歴史的建造物が多いことも特徴です。長崎市に代表される異国情緒あふれる街並みが、国内外の観光客を魅了します。

この記事では、長崎県で転職や移住を考える医師のために、最新の転職市場や転職成功のポイントを紹介します。転職先として長崎を検討しているなら、ぜひ参考にしてみてください。

目次

長崎県の医師転職市場の動向

長崎県の2019年時点の人口は約133万人です。594もの島があり、県の面積の約45%を占めます。離島振興法指定有人島の数は全国最多の51で、県人口の1割にあたる住民が暮らしています。島の住民の健康を支える離島医療は、長崎県の医療状況において重要な位置を占めます。

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、長崎県の医療施設に従事する医師数は4,108人で、九州8県の中では福岡県、熊本県、鹿児島県に次ぐ数です。人口10万人あたりの医師数は306.3人と全国で6番目に多く、全国平均の246.7人を大きく上回っています。

医療需要に人口や患者流入数、医師の性別年齢分布を照らし合わせた医師偏在指数は263.7ポイントで全国平均の239.8ポイントを下回り、医師の偏在も少ないと言えます。

ただし、県内唯一の医学部・長崎大学を有する長崎医療圏や県央医療圏、佐世保県北医療圏以外では、医師少数区域に分類されるエリアもあります。
長崎県は島が多いため医師の偏在が起こりやすく、特に上五島医療圏は医師少数区域に設定されています。

長崎県としても「ながさき地域医療人材支援センター」「離島・へき地医療支援センター」を設け、離島・へき地における診療所などの医師確保や代診医の派遣などを行い、医療体制の維持に注力しています。

長崎県の医師の平均年収

医師の平均年収グラフ(九州圏)

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、長崎県の医師平均年収は1,454.3万円(平均年齢46.4歳、勤続年数5.5年)でした。全国平均の1,440.3万円(平均年齢45.5歳、勤続年数7.1年)を少し上回ります。

男女別では男性1,531.7万円(平均年齢48.0歳、勤続年数6.4年)、女性1,218.5万円(平均年齢41.4歳、勤続年数2.9年)でした。どちらも全国平均男性1,522.5万円(平均年齢47.2歳、勤続年数7.9年)、女性1,188.3万円(平均年齢40.6歳、勤続年数5.0年)を上回る結果となっています。

民間医局で長崎県の常勤求人を検索すると、全部で142件ありました。このうち、医師の高額年収のボーダーラインとなる「年収1,800万円以上」の求人は84件です。(2022年4月11日時点)。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

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長崎県の医療状況

医療機関

厚生労働省の「令和元年医療施設調査」によると、長崎県の病院数は149施設で全国18位でした。149施設のうち一般病院が121施設、精神科病院が28施設。人口10万人あたりの病院数は11.2施設で、全国で8番目に多い数字です。

長崎県の診療所数は1,371施設、人口10万人に対しては103.3施設あります。診療所の約半数が長崎医療圏にあり、上五島、壱岐医療圏は少ないのが現状です。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 診療所数
長崎 53 638
佐世保県北 35 269
県央 32 246
県南 17 107
五島 4 39
上五島 1 21
壱岐 5 17
対馬 2 34

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

長崎県が取り組む対策として、専門医師確保対策資金貸与制度や、忙しい医師が仕事と生活の両立を実現するための支援を目的とした「あじさいプロジェクト」などがあります。同プロジェクトにはキャリア支援コンサルティングや復職&リフレッシュトレーニング、保育サポートシステムなどが準備されています。

また、ながさき地域医療人材支援センターでは、地域医療と中核病院等を循環させながら医師のキャリア形成を支援したり、医師不足の医療機関へ医師の派遣・あっせんを実施したりしています。

生活環境の魅力

長崎県は北部が日本海に面しているため、冬は日本海型気候で季節風が強く吹きます。特に壱岐や対馬一帯は低温の厳しいエリアです。内陸部の年間平均気温は16℃前後と、比較的温暖な気候に恵まれています。

生活コストの安さも魅力の一つです。首都圏はもちろん、福岡県と比べても住居費などを安く抑えられます。

長崎県はちゃんぽん・皿うどん発祥の地としても知られ、長崎新地中華街には皿うどんのお店が軒を連ねています。

住みやすい街

長崎県内の住みやすい街として人気を集めているのが、時津町や大村市、長与町です。長崎市や佐世保市は言わずもがなですが、長崎市近郊の市町村は交通の便が良く自然にも恵まれているため、注目のエリアです。

時津町からは高速船が出ており、長崎空港まで約25分と空の便へのアクセスも良好です。長崎市内へは、車なら約30分でアクセスできます。
大村市は県央に位置する地域で、県内最大の空港の長崎空港があります。長崎空港は、大村駅からバスで約12分、長崎医療センターからは約25分です。
長与町の南側は長崎市に面しており、長崎市に勤める人のベッドタウンとして人気の高い地域です。JR長崎駅までは約15分、車なら約30分でアクセスできます。

交通アクセス

長崎県内は電車や路線バスの他、高速バスや高速船も利用できます。ただし、エリアによっては車がないと不便な地域もあります。

長崎から東京へは飛行機で約1時間50分、大阪へは約1時間15分です。長崎空港から長崎市内へは空港リムジンバスで最短35分と、本州での学会や研修もアクセスしやすいでしょう。

観光エリア

日本にいながらヨーロッパの街並みを堪能できる佐世保市のハウステンボス、鎖国時代の情緒漂う長崎市の出島、軍艦島(端島)ツアー、明治時代の洋館を移築復元したグラバー園などが有名です。

軍艦島は島全域が廃墟となった元炭鉱施設で、映画のロケ地としても利用されています。廃墟が多く危険なため、ツアーでしか上陸が許可されていません。島へのアクセス方法も限られているため、人気のツアーとなっています。

佐世保市からフェリーで五島列島に向かう、世界文化遺産巡りも良いでしょう。北部に位置する上五島の島々には29の教会があり、迫害を逃れてきた隠れキリシタンの祈りの場が点在しています。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

長崎県の待機児童数は、令和3年4月1日時点で0人です。前年同月も0人で、保育所定員数が確保されています。子育て援助活動支援事業が発達しており、保育施設までの送迎や放課後の預かり保育、早朝夜間の預かり対応などの支援を受けられます。

長崎県の進学校といえば、公立なら長崎西高校、私立なら青雲学園高校です。多数の難関大学合格者を輩出しています。

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長崎県での転職についてよくある質問

長崎県の医師の平均年収は?

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、長崎県の医師平均年収は1,454.3万円(平均年齢46.4歳、勤続年数5.5年)です。 平均年収は調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

転職エージェントを利用するメリットは?

情報収集や非公開求人のご紹介はもちろん、条件交渉や内定後の辞退の連絡など、エージェントが医療機関との間に入って調整いたします。 また、民間医局のエージェントは面接時に同行しますのでご安心ください。

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