熊本県の医師転職市場や年収相場は?

更新日:2022/02/14 公開日:2022/02/04

世界最大級のカルデラで知られる阿蘇山があり、「火の国」とも呼ばれる熊本県。九州の中央に位置し、雄大な自然と温暖な気候に恵まれています。

熊本県は医師数、医療機関数ともに地方中核都市としては豊富であるものの、熊本市に集中し、地域偏在が課題です。
転職市場としては内科系の求人が増えており、総合診療や訪問診療など地域医療に携わる医師が求められています。

この記事では、熊本県で転職や移住を考える医師のために、最新の転職市場や転職成功のポイントを解説します。

目次

熊本県の医師転職市場の動向

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、熊本県の医療施設に従事する医師数は5,091人で、全国16位です。人口10万人に対する医師数は289.8人(全国10位)と、全国平均246.7人を大きく上回ります。

地方中核都市の中では医師数が潤沢に見えますが、地域によって大きな差があります。
熊本県で働く医師の約6割が熊本市内に集中しており、熊本市外の人口10万人に対する医師数は199.3人と、県全体の289.8人から大きく減少します。さらに、熊本市外で勤務する医師は熊本市内の医師よりも65歳以上の割合が高く、高齢化の傾向にあります。
特に医師不足が顕著なのは、水俣市や天草市です。

県内唯一の医学部は熊本大学に置かれています。大学医局の影響は非常に強く、医局と関係のない医療機関も複数ありますが、急性期の度合いが高い病院ほど、転職は難しい状態です。

ここ数年増えているのは、神経内科、精神科、一般内科など内科系の求人です。
医療機関の形態でみると、ケアミックス病院、慢性期病院の求人が多い傾向にあります。

熊本県は地域連携がしっかりしている医療機関が多いので、地域に根ざした医療を展開することができます。総合診療や一般内科、訪問診療などで活躍したい先生にとって、やりがいのある地域だと思います。ご興味のある先生は、お気軽にご相談ください。

熊本県の医師の平均年収

医師の平均年収グラフ(九州)

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、熊本県の医師平均年収は、1,471.2万円(平均年齢48.5歳、勤続年数6.4年)です。全国の医師平均年収1,440.3万円を上回ります。

男女別に熊本県の医師平均年収をみると、男性1,654.8万円(平均年齢52.1歳、勤続年7.2年)、女性1,041.5万円(平均年齢40.0歳、勤続年数4.8年)です。男性は全国平均1,522.5万円より高水準ですが、女性は全国平均1,188.3万円を下回ります。

実際の相場観は、市中病院勤務の40代後半医師であれば、調査結果の平均年収1,471.2万円よりも高めの印象があります。

給与水準は科目、勤務内容や勤務先の規模によっても大きく変動します。ご自身の給与について医療機関と交渉するのはためらわれる、という先生もいらっしゃるでしょう。
そんな時は、民間医局の転職支援サービスをご利用ください。先生のご希望に沿った待遇をかなえるため、エージェントが医療機関と交渉します。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

熊本県
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熊本県の医療状況

医療機関

厚生労働省が発表した「令和元年医療施設調査」によると、熊本県の病院数は211施設で全国12位。人口10万人あたりの病院数は12.1施設(全国7位)で、全国平均6.6施設を大きく上回ります。
一般病院が173施設、精神科病院が38施設、病床総数(一般・精神・療養病床など)は33,930床です。診療所数は1,469施設あります。
二次医療圏は10圏域に分かれます。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 診療所数
宇城 11 68
有明 12 129
鹿本 6 43
菊池 16 138
阿蘇 6 44
八代 11 128
芦北 11 45
球磨 13 80
天草 18 103
熊本・上益城 107 691

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

熊本県では医師の地域偏在を解消するため、地域医療支援センターを中心として、医師のキャリア形成支援や、医療機関における医師確保を支援しています。

生活環境の魅力

熊本県は阿蘇山の噴火によって形成された地層から、1,000ヶ所以上もの湧水があります。中でも熊本市は上下水道がすべて天然地下水という、恵まれた環境です。
気候は比較的温暖ですが、夏と冬の寒暖差が大きいことが特徴です。たとえば2018年の熊本県の最高温度は38.1℃、最低気温は-5.2℃と開きがあります。

この豊富で清らかな水と温暖な気候を活かし、熊本県は全国屈指の農業県となっています。トマト、スイカ、イチゴなど野菜や果物の生産がさかんで、美味しい郷土料理もたくさんあります。

また熊本県は歴史的建造物が多く、温泉もあるため、観光都市としても人気です。

住みやすい街

熊本市周辺に医療機関が集まっていることから、熊本市に住む先生が多いです。県庁と市役所のある中央区は行政機関をはじめ企業や商業施設が多く、日々の生活に不自由しません。
中でもJR肥後本線の水前寺駅周辺は、高層マンションが建ち並ぶ住宅街です。学校など教育機関が多数ある文教地区で、大きな公園もあり、子育て世代に人気があります。

交通アクセス

熊本市内は鉄道・バスなど公共交通機関が発達しており、利便性の良さが魅力です。中でも市電(路面電車)は繁華街を通るため、市民の足として愛されています。
九州各地へは、九州新新幹線や高速バスでスムーズに移動できます。

東京や大阪へのアクセスは、阿蘇くまもと空港からの直行便が便利です。羽田空港までは約1時間30分~2時間、伊丹空港までは約1時間5分~1時間20分です。阿蘇くまもと空港からは国内8路線、国際線はソウル、大邱、台湾、香港の4路線が運航しています(2022年1月時点)。

観光エリア

日本三名城の一つ、熊本城は2016年の熊本地震で甚大な被害を受けました。震災復興のシンボルとして復旧作業が進められ、2021年に天守閣全体の復旧が完了。現在は全面リニューアルした展示と、最上階からの眺望を楽しめます。

2018年に世界文化遺産に登録された天草の﨑津集落は、厳しい禁教下で信仰を続けた潜伏キリシタンの集落として、当時の面影を知ることができます。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

2021年4月時点の愛知県の待機児童数は8人で、前年同月の70人から大幅に減少しました。(厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめのポイント」

文部科学省「令和3年度学校基本調査結果(熊本県分(確定値))」によると、中学卒業者の高校進学率は99.2%、さらに高校卒業者の大学等進学率は47.2%で過去最高でした。

熊本県は公立高校のレベルが高く、中でも熊本市にある熊本高校は人気です。1900年に創立された名門校で、医学部進学者が多いことでも知られています。

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熊本県での
医師転職成功事例

激務かつ薄給で転職を決意

消化器内科 30代後半男性

Before

年収 900万円
専門科目 消化器内科
施設形態 大学病院
勤務日数 週5日、当直あり

大学病院勤務で激務なのに薄給

After

年収 1,200万円
専門科目 内科
施設形態 慢性期の市中病院
勤務日数 週4日、当直なし

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熊本県での転職についてよくある質問

熊本県の医師の平均年収は?

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、熊本県の医師の平均年収は、1,471.2万円(平均年齢48.5歳、勤続年数6.4年)です。
平均年収は調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

転職エージェントを利用するメリットは?

情報収集や非公開求人のご紹介はもちろん、条件交渉や内定後の辞退の連絡など、エージェントが医療機関との間に入って調整いたします。
また、民間医局のエージェントは面接時に同行しますのでご安心ください。

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