奈良県の医師転職市場や年収相場は?

公開日:2022/02/28

歴史遺産と心癒される自然に恵まれた奈良県。高齢化の影響から、総合診療医のニーズが一際高いことが特徴です。
都市部では総合診療のみならず、高度医療から訪問診療、リハビリテーション、自由診療まで幅広いキャリアの選択肢があります。

この記事では、奈良県で転職や移住を考える医師のため、奈良県担当エージェントが最新の転職市場や求人動向を解説します。ぜひ参考にしてみてください。

目次

奈良県の医師転職市場の動向

奈良県の医療機関は他府県に比べ、以下の特徴があります。

  1. 大規模病院が少ない
  2. 公立・公的医療機関が比較的少なく、民間病院が多い

そのため、診療報酬の誘導もあって地域包括ケア病床、回復期リハ病床は全国平均より多いです。求人においても回復期リハ病棟の担当医や、地域包括ケア病床を診てもらいたいという募集が多い傾向にあります。

さらに高齢化が進んでいる地域ということもあり、高齢者医療、内科系の求人が特に多いです。
外科系は整形外科や脳血管外科、他科系では救急や総合診療科の求人ニーズが増えています。

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、奈良県の医療施設に従事している医師数は3,461人で全国29位。
人口10万人に対する医師数は、258.5人で全国20位です。医師数だけみると少なく感じますが、人口10万人あたりの医師数は全国平均の246.7人を上回ります。

奈良県内の医学部は唯一、奈良県立医科大学です。奈良県立医科大学は橿原市にあります。

診療科にもよりますが、大阪府に比べると大学医局の影響力は強いです。
特に他科系の一部や外科系に関して、症例数の多い主要な医療機関はほぼ大学が押さえている状況です。そういった診療科で医局を離れ、それまで同様に第一線で働きたいという場合は、奈良県でなく大阪府の医療機関に転職されるケースが多いです。

「症例はある程度あればいい」「働くペースは少し落としてもいい」という転職であれば、医局派遣を受けていない医療機関も多いため、幅広い選択肢があります。

奈良県は特に都市部に医療機関が集中していますが、西和医療圏(生駒市など)は大阪市内や奈良市内へのアクセスが良く、豊かな自然にも恵まれていますので、おすすめのエリアです。

求める人物像は、看護師やスタッフと協力し、チームとして医療に取り組んでくださる方ですね。コミュニケーション能力のある方を重視する医療機関が多いです。

奈良県の医師の平均年収

医師の平均年収グラフ(近畿圏)

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」では、奈良県の医師平均年収は1,233.5万円(平均年齢42.3歳、勤続年数4.5年)です。全国平均の医師年収1,440.3万円(平均年齢45.5歳、勤続年数7.1年)を下回っています。

男女別にみると、奈良県の男性医師の平均年収は1,274.4万円(平均年齢43.2歳、勤続年数4.4年)、女性医師の平均年収は1,125.3万円(平均年齢40.0歳、勤続年数4.8年)でした。

この調査結果を見ると奈良県の給与水準が低く感じられますが、実態は異なる印象です。
民間医局経由で転職した医師の平均年収は、1,420万円でした(当社実績より算出)。決して他県に劣ることはありません。
調査対象となった医師の平均年齢が若く、勤続年数も短いことが、調査結果の一因と考えられます。

給与水準は奈良市内と郊外で大きな差はありません。大阪府からも通いやすい西和医療圏の施設は、給与水準が多少低めではあります。

民間医局では、皆さまのご希望に沿った求人をお探しして、エージェントが待遇や勤務内容を医療機関と交渉します。まずはお気軽にご相談ください。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

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奈良県の医療状況

医療機関

厚生労働省の「令和元年医療施設調査」では、令和元年10月1日時点での奈良県内の病院数は79施設でした。この数字は全国40位ですが、1999年時点の同調査の病院数は73施設だったため、20年で5施設増えています。人口10万人あたりの病院数は5.9施設で、全国平均の6.6施設を下回っています。

奈良県内の病院79施設のうち23施設は奈良医療圏に、21施設は中和医療圏にあり、県北部に病院が集中していることが特徴です。
また、奈良県内にある診療所数は1,215施設で、奈良市内にそのうちの392施設があります。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 診療所数
奈良 23 392
東和 12 154
西和 18 283
中和 21 319
南和 5 67

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

奈良県には、総合診療医養成プログラムを有する基幹施設が6施設あります。奈良県全体で総合診療専門医の理想的な形を模索し、その理想像に向けて育成しようとする強い意志により、一つにまとまっています。

どの研修施設でも「研修の質」が担保できるように、指導医間でも情報交換し、切磋琢磨しながら、理想の総合診療専門医育成体制整備に取り組んでいます。

生活環境の魅力

河川や山に囲まれ、内陸にある奈良県は年間平均気温が15.2℃と、温暖な気候が特徴です。ただしエリアによっては山岳性気候で夏は暑く、冬は寒いケースもあります。

県庁所在地の奈良市が最も人口が多く、その他の市町村では生駒郡や北葛城郡に人口が集まっています。大阪市内へは、JRまたは近鉄電車で約1時間。車なら第二阪奈道路と国道163号を使って約40分でアクセスできます。

住みやすい街

公共交通機関は近鉄電車・JR線が大阪市中心部へと繋がっています。複数沿線が重なりアクセス良好という観点から、居住地としては王寺、久宝寺、大和西大寺、奈良、大和高田がおすすめです。
近鉄学園前駅、富雄駅周辺は昭和の中頃以降に急速に開発された住宅街で、現在では高級住宅街にもなっています。

奈良市は県庁所在地で、大阪市にもほど近く、通勤やショッピングにもアクセスしやすいでしょう。奈良の大仏や春日大社など、歴史の古い建造物もあり奈良の魅力が詰まった街です。

交通アクセス

奈良県内は公共交通機関が発達しており、移動にはさほど困りません。しかし郊外になると公共交通機関だけでは不自由な場面もあります。車があったほうが便利かもしれません。

現在、東京から奈良県までは新幹線を使って約3時間かかります。2027年に東京名古屋間が開通予定のリニア中央新幹線は、奈良県にも駅ができる予定です。リニア中央新幹線が通れば、東京から奈良県まで約1時間でアクセスできるようになります。

観光エリア

奈良県の観光エリアと言えば、大仏や奈良公園が有名です。奈良公園は小さなお子さんがいても芝生で遊ばせやすく、家族で訪れるのにおすすめの場所です。

また山林部は四季折々の姿が美しく、特に高見の郷のしだれ桜は圧巻です。約1,000本のしだれ桜が山全体に群れ咲きます。展望台、千の丘からは一面に咲き誇る桜を堪能できます。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

奈良県の待機児童数は、令和3年4月1日時点で132人です。全国的にみても待機児童数の多い地域ですが、前年度の201人より69人減少しました。

核家族化が全国1位の奈良県は、育児負担の増大が課題です。そこで「奈良県こども・子育て応援プラン」を設定し、出産から子育てまで各ライフステージに合わせたサポートを推進しています。

私立では東大寺学園高校、西大和学園高校、智辯学園高校が有名です。中高一貫の制度を設けている学校が多いですが、最近は東大寺学園が高校からの外部募集を廃止し、完全中高一貫校に生まれ変わる動きが出ています。

公立高校は学区制が廃止され、大規模な再編が実施されました。奈良高校、畝傍高校などが進学率の高さで知られています。

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奈良県での
医師転職成功事例

新型コロナの影響で年収減…

内科・リハビリ科 40代前半女性

Before

年収 1,300万円
専門科目 内科・リハビリテーション科
施設形態 市中病院
勤務日数 週4.5日、当直あり

新型コロナの影響で勤務先の経営が悪化。年収が大幅に減ってしまいました。

After

年収 1,700万円
専門科目 内科・リハビリテーション科
施設形態 市中病院
勤務日数 週4.5日、当直なし

転職で年収は前職より大幅アップ。通勤時間も減って大満足です。

業務負担を改善したい

婦人科 50代前半男性

Before

年収 1,600万円
専門科目 婦人科
施設形態 急性期の市中病院
勤務日数 週5.5日、当直なし

常勤医が少なく、業務の負担が増すばかり。

After

年収 1,800万円
専門科目 婦人科
施設形態 急性期の市中病院
勤務日数 週5日、当直なし

医師体制が充実した病院へ転職し、負担が軽減しました。

定年後もアクティブに働きたい

内科 60代前半男性

Before

年収 1,600万円
専門科目 内科
施設形態 市中病院
勤務日数 週5日、当直あり

定年後は雇用形態が不透明で不安でした。体力もあるため、もう少しアクティブな医療機関を希望しました。

After

年収 1,500万円
専門科目 内科
施設形態 急性期の市中病院
勤務日数 週5日、当直なし

再雇用制度適用実績のある病院へ転職。年収もさほど下がらずに済みました。急性期色が強く、やりがいを持って働けています。

奈良県での転職についてよくある質問

他県から奈良県へ移住や転職を考える場合、気を付けるポイントはありますか?

奈良県民は比較的穏やかな方、社交的な方が多い印象です。歴史が好きで移住される方もたくさんいらっしゃいます。
ただし、鹿との接触には注意です。特に繁殖時は雄の縄張り意識が強く、攻撃的になりますのでご注意を!

奈良県の医師の平均年収は?

生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、奈良県の医師の平均年収は、1,233.5万円(平均年齢42.3歳、勤続年数4.5年)です。
平均年収は調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

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■参考サイト

奈良県

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