岡山県の医師転職市場や年収相場は?

更新日:2022/05/06 公開日:2022/04/25

岡山県の医療施設に従事する医師数は全国4位、中四国地方で唯一、医学部・医科大学が2校あり、医療資源に恵まれています。

大阪までは新幹線で約45分と各地へのアクセスも良好。急性期から慢性期、地域医療まで幅広い選択肢があり、都会の喧騒から少し離れてQOLを高めたい、スキルを磨きたい先生におすすめのエリアです。

この記事では、岡山県で転職や移住を考えている医師のため、最新の転職市場や転職成功のポイントを紹介します。

目次

岡山県の医師転職市場の動向

岡山県の特徴として、沿岸部への医療資源の集中と、山間部の医療過疎が挙げられます。

医療資源が集中している岡山市と倉敷市は、全国的にみてもトップレベルの医療体制が充実したエリアで、岡山県内はもちろん中四国から患者が集まります。
岡山市は大学病院、高機能病院や地域の基幹病院が複数あり、急性期医療が充実しています。また、倉敷市は倉敷中央病院と川崎医科大学附属病院という1000床を超える病院が2つあり、高度急性期医療の充実に加えて回復期病床も全国平均以上のレベルです。

転職市場のニーズとして、内科をジェネラルに診療してほしいという需要は他県と同様に非常に高く、多くの医療機関が積極的に採用に動いております。内科の中でも回復期リハ、訪問診療の募集が増加傾向にあります。

専門性の高い内科領域の募集や外科、マイナー科の募集については地方都市に共通して言えることだと思いますが、大学医局の影響から募集は限定的となっております。
精神科については募集が多く、指定医や専門医の取得ができる施設への紹介も可能です。

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、岡山県の医療施設に従事する医師数は5,849人でした。これは全国で13番目に多い数字です。

岡山県の人口は、「岡山県の人口」によると令和3年4月1日時点で約187万人。岡山県の人口10万人あたりの医師数は308.2人です。全国平均の246.7人を上回っており、全国4位の高水準でした。

医師数の多い岡山県で医学部があるのは、岡山大学と川崎医科大学です。岡山大学医学部は岡山市に、川崎医科大学は倉敷市にあります。

岡山大学は旧医科大学という背景から、県内はもちろん四国・中国地方にも多くの関連病院があり、強い影響力を持ちます。県内の大規模病院は大学の医局人事で運営されており、医局人事以外での勤務は難しい状況です。

川崎医科大学は岡山大学の影響もあり、関連病院はそこまで多くありません。

岡山県で求められる人材とは

専門性や高い手技を求めるところは少なく、人間性を重視して採用する医療機関がほとんどです。特に業務を進めるうえでの協調性や柔軟性、周囲と良好な関係性を築けるかという点は、年々重視される傾向が強まっています。

求人数が充実しており、選択肢が豊富なのは岡山市と倉敷市です。岡山市中心部は急性期の募集が多く、倉敷市は回復期、慢性期の募集が多い傾向があります。

県内でも都市部と郊外で求人の条件に大きな違いはありませんが、「週4日勤務」「当直なし」などは、医療過疎地域の山間部や郊外の医療機関の方が交渉しやすいのは事実です。

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岡山県の医師の平均年収

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、岡山県の医師平均年収は1,279.1万円(平均年齢44.7歳、勤続年数7.9年)です。全国平均の1,440.3万円(平均年齢45.5歳、勤続年数7.1年)を下回っています。

男女別にみると、岡山県の男性医師の平均年収は1,315.6万円(平均年数46.8歳、勤続年数9.0年)、女性医師の平均年収は1,200.7万円(平均年数40.0歳、勤続年数5.5年)でした。

実際の年収相場は、確かに近隣県に比べれば低めではありますが、この統計データほど低い印象はありません。

統計データの平均年収が低い理由として、2点考えられます。

1つ目は、岡山県は同程度の他県に比べると大規模な急性期病院が多く、その病院が大学医局の関連になっており、大学医局の派遣で人員が採用できることから医師採用の流動性が少なく給与水準が上がらない点です。

2つ目は、中四国で岡山県は唯一、大学が2つあるため、近隣県と比較して医師数も多く、大規模病院の給与水準が上がりにくい傾向にあります。

つまり、医局派遣が主な大規模病院が給与水準を下げていると思われます。民間医局が主に取引する、中小規模の医療機関の給与水準には当てはまりません。実際に岡山県で転職される際、著しく年収が低いということはありませんので、ご安心ください。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

岡山県
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岡山県の医療状況

医療機関

厚生労働省が報告した「令和元年医療施設調査」では、岡山県の病院数は161施設、人口10万人に対する病院数は8.5施設で全国平均の6.6施設を上回っています。

岡山県の診療所数は1,650施設で、人口10万人あたりの診療所数は87.3施設でした。全国平均の人口10万人あたりの診療所数81.3施設を上回っており、岡山県は病院数・診療所数ともに全国平均よりも多い状況です。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 診療所数
県南東部 76 874
県南西部 53 510
高梁・新見 8 62
真庭 7 44
津山・英田 17 160

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

岡山県全体の医師数は全国平均を上回っていますが、医師の偏在が課題です。県南西部や県南東部に医師が集中し、真庭や高梁・新見医療圏は医師が少なく、岡山県は医師確保に取り組んでいます。

医師を含めた医療従事者の勤務環境の改善、女性医師が働きやすい環境整備、キャリア形成プログラムの運用など、医師確保に向けた施策があります。

生活環境の魅力

瀬戸内海に面し、中国山地や四国山地に囲まれる岡山県は、一年を通して雨や雪が少なく温暖です。日照時間が長いことから「晴れの国おかやま」とも呼ばれます。

雨は少ない気候であるものの、河川が多いため水に恵まれていることも岡山県の魅力です。

住みやすい街

岡山県で住みやすい街といえば、県庁所在地の岡山市は外せません。
2022年2月1日時点の人口は約72万人(岡山市「推計人口概要」より)で、「こそだてぽけっと」と呼ばれる子育て応援サイトがあり、転居してきた人のための情報や子育て相談に関する窓口情報などが記載されています。ファミリー・サポート・センターや家庭ごみ有料指定袋の減免申請といった情報もあり、子育て世代の転居に役立ちます。

岡山市南区にあるJR宇野線の妹尾駅前は、高級住宅街に近い住宅街で形成されており、閑静な住環境が人気です。

ファミリー層に人気があるのは、岡山大学に近い、岡山市北区伊島町ですね。岡山大学が近く、運動公園などもあって教育面・住環境ともに整備されています。

同じく岡山市北区のJR山陽本線・北長瀬駅周辺は、再開発により病院や商業施設ができたことから、最近注目を集めるエリアとなっています。

交通アクセス

県内の移動は車がメインの、車社会です。
岡山県の人口のうち約6割は岡山市と倉敷市に集中しており、産業も県南都市園に集中しているため、交通量が多く、朝夕の通勤時間帯を中心に渋滞ラッシュが発生します。

岡山市内には、岡山空港(岡山桃太郎空港)があります。岡山空港へは、岡山駅から空港リムジンバスで約30分、自動車での移動なら岡山ICから約10分でアクセスできます。

観光エリア

岡山県の観光名所といえば、倉敷美観地区や岡山後楽園でしょう。
倉敷美観地区は伝統的な建物が建ち並び、まるでタイムスリップしたかのような風情を堪能できます。レトロモダンなお店も多く、SNS映えするため若い世代にも注目されています。

日本三名園の一つ、岡山後楽園は延養亭や能舞台「栄唱の間」といった歴史的建造物だけでなく、ソメイヨシノの桜林、ツツジ、紅葉などの草花も見どころです。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

令和3年4月1日時点の岡山県の待機児童数は104人で、全国的にみても多い傾向にあります(厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめのポイント」)。しかし、前年同月の403人と比較すると約4分の1に減少しており、自治体による待機児童対策が功を奏していると考えられます。

岡山県にある高校では、岡山白陵高校や就実高校といった私立高校が優秀です。両校とも医学部合格実績があり、令和3年4月10日時点の岡山白陵高校医学部進学者は国公立大学22人、私立大学45人。就実高校の医学部合格実績は、国公立大学5人でした(令和3年3月10日時点)。
公立高校は全県学区で、岡山朝日高校も毎年医学部への合格者を輩出しています。

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岡山県での
医師転職成功事例

開業を見据え、内科全般を診たい

消化器内科 30代後半男性

Before

年収 1,400万円
専門科目 消化器内科
施設形態 急性期病院
勤務日数 週5日、当直オンコールあり

40代を前に、将来の開業を視野に

消化器内科でスキルを磨いてきましたが、開業も選択肢の一つでした。ジェネラルに内科を診療できるようになるため、転職を決意しました。

After

年収 1,700万円(週1日の非常勤収入を含む)
専門科目 一般内科
施設形態 ケアミックス型病院
勤務日数 週4日、時間外対応なし+週1日非常勤

家庭医資格を持つ上司と地域医療に取り組む

家庭医としてキャリアを歩んできた上司から体系的に地域医療を学ぶことができています。常勤先を週4日、残り1日は非常勤でクリニックの外来に勤め、クリニック運営に触れながら収入も確保できています。

岡山県での転職についてよくある質問

岡山県ならではの求人の魅力は?

専門医取得や専門性の高い領域をご希望の場合は選択肢が限られますが、病院への転職については急性期、回復期、慢性期と幅広いステージをご提案できます。
また、健診施設や老健などの募集もあるため、子育て中の女性の先生や定年後のセカンドキャリアもぜひご相談ください。

他県から移住する場合、気を付けるポイントは?

岡山県は車社会です。岡山市や倉敷市の中心部だけで生活するのであれば車がなくても困りませんが、少し足を伸ばすのであれば、車は必須でしょう。

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