北海道の医師転職市場や年収相場は?

更新日:2022/04/04 公開日:2021/11/25

「北の大地」北海道は、東京から大阪まですっぽり包み込むほど広大な地域です。
都市部には大学病院やクリニックが多数あり、急性期や高度医療の経験を積める環境が整っています。都市部を離れれば離れるほど、住民の健康維持のため、幅広い疾患に対応できるジェネラリストが求められます。

「地域医療に携わりたい」「総合診療医になりたい」先生にとって、スキルを遺憾なく発揮できる場所ではないでしょうか。
この記事では、北海道で転職や移住を考える医師のために、最新の転職市場や転職成功のポイントを解説します。

目次

北海道の医師転職市場の動向

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、北海道の医療施設に従事する医師数は12,848人。全国7位の多さです。
しかし、人口10万人に対する医師数は243.1人(全国26位)で、全国平均246.7人を下回っています。

公共交通の中心である、JRの路線から外れれば外れるほど、医師不足が顕著です。
特に冬季の移動を懸念される方が多いかと思いますが、雪が降っても、基幹道路の除雪体制は整っています。

医学部は北海道大学、旭川医科大学、札幌医科大学の3校あります。
北海道は、医局の影響が強い土地柄だと感じます。特に札幌市内の医療機関の多くは、古くから北大と札医大の関連病院になっています。診療科によっては、転職が難しいとあきらめる先生も少なくありません。
ただ実際には、大学医局と関係のない転職事例も多いです。医局のしがらみが少なくて症例の豊富な病院もありますので、まずはご相談ください。

北海道ならではの特徴として、期間限定のフルタイム勤務求人があります。
留学中の一時帰国、勤務先が変わる前の数ヶ月間など、短期間で収入を確保したい方におすすめです。

首都圏では一般的な「研究日」の概念が北海道には少なく、週5日、週5.5日の常勤求人が多いです。しかし、「週4日から相談可」という求人もありますので、プライベートを重視したい先生はぜひ、ご相談ください。

北海道の医師の平均年収

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、北海道の医師平均年収は、1,577.9万円(平均年齢47.4歳、勤続年数6.8年)です。全国の医師平均年収1,440.3万円を大幅に上回りました。

医師の平均年収グラフ(北海道・東北)

医師の平均年収比較

北海道 全国
男女 1,577.9万円
(47.4歳、勤続6.8年)
1,440.3万円
(45.5歳、勤続7.1年)
男性 1,600.5万円
(48.1歳、勤続7.3年)
1,522.5万円
(47.2歳、勤続7.9年)
女性 1,445.0万円
(43.6歳、勤続4.0年)
1,188.3万円
(40.6歳、勤続5.0年)

※カッコ内の年齢は調査対象となった医師の平均年齢、年数は平均勤続年数

北海道の医師平均年収を男女別にみると、どちらも全国平均より高い水準です。特に女性は全国平均より約260万円高い結果となりました。

「北海道は高年収」というイメージがありますが、実際は地域差が大きいです。札幌市内の給与水準は、全国平均と同程度の印象があります。北海道は広域のため、いわゆる医療過疎地域が点在します。それらの地域では、極めて好条件で医師確保に奔走しています。
年代による年収の差は、全国水準とさほど変わりません。卒後10年目前後の若手医師でも、地域医療に貢献することで、年収2,000万円を超えることも可能です。

医師の皆さまの転職活動をサポートする民間医局では、待遇・勤務内容ともにご満足いただくことを目指し、エージェントが先生のご希望に沿って医療機関と交渉します。転職をお考えでしたら、お気軽にご相談ください。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

北海道
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北海道で求められる人材とは

コロナ禍が追い風となり、訪問診療のニーズ増加が止まりません。多くの訪問診療クリニックが医師増員を計画しており、求人も増えています。キャリアチェンジで訪問診療の道へ進まれる医師も多いです。

慢性期や地方の自治体病院では世代交代が急務となっており、多くの求人があります。特に、総合診療科(内科)の先生に活躍いただけるフィールドが整っています。地域医療にご興味のある先生は、ぜひお問い合わせください。

医療機関が求める人物像

まずは「協調性のある医師」です。ほぼすべての医療機関から、要望を受けます。
「患者を呼べる」「長く勤務してもらえる」など、要望はたくさんありますが、同僚、スタッフ、患者様との対人関係を最重要と考え、スキルについては入職後の経験で養ってもらえればいい、との声が多いです。

北海道の医療状況

三次医療圏は道南、道央、道北、オホーツク、十勝、釧路・根室の6圏域、二次医療圏は21圏域に分かれます。

道南

函館市を中心としたエリア。北海道新幹線の開業と今後の延伸で、より便利に。

  • 南渡島
  • 南檜山
  • 北渡島檜山

道央

札幌市、新千歳空港を擁し、北海道の政治経済の中心地。

  • 札幌
  • 後志
  • 南空知
  • 中空知
  • 北空知
  • 西胆振
  • 東胆振
  • 日高

道北

旭川市を中心とした南北に伸びるエリア。北海道らしい自然を満喫できる。

  • 上川中部
  • 上川北部
  • 富良野
  • 留萌
  • 宗谷

オホーツク

知床世界自然遺産や流氷で有名。日照時間の長さは日本有数。

  • 北網
  • 遠紋

十勝

電車・バスなど交通アクセスは比較的良好。農畜産業がさかん。

  • 十勝

釧路・根室

新鮮な海産物が楽しめ、避暑地としても人気。

  • 釧路
  • 根室

医療機関

厚生労働省の「令和元年医療施設調査」によると、北海道の病院数は552施設で、全国2位。人口10万人あたりの病院数も10.5施設(全国10位)と、全国平均6.6施設を大きく上回ります。
一般病院が484施設、精神科病院が68施設、病床総数(一般・精神・療養病床など)は93,167床です。

救急医療

北海道には、救命救急センターが12施設あります。そのうち旭川赤十字病院、市立函館病院、市立釧路総合病院、手稲渓仁会病院の4施設がドクターヘリ基地施設です。
広大なエリアのため、ドクターヘリは重要な役割を果たしています。

総合診療医の育成

臨床研修指定病院は57施設。専門研修プログラムは基本19領域それぞれに多数用意されていますが、際立つのは総合診療です。
道内の総合診療専門研修の基幹施設は28施設と潤沢で、あらゆる疾患に対応できる総合診療医を目指せます。

自治体の医師確保の取り組み

北海道外からの医師転職・移住を促進するため、自治体もさまざまな仕組みを設けています。
市町村立病院勤務を検討する医師を対象とした地域医療視察・体験では、旅費交通費を道が負担します。
ドクターバンクでは常勤はもちろん、代診や宿日直など非常勤での登録も受け付けています。

生活環境の魅力

北海道の2021年9月時点の推計人口は約520万人、全国8位の多さです。豊かな自然と共に、都心の喧騒とは打って変わった暮らしができるでしょう。
新鮮な魚介類や野菜、くだものなど、季節ごとにさまざまな味覚を楽しめるのも魅力です。

太平洋、日本海、オホーツク海の3つの海に囲まれており、道内でも地域によって気候が異なります。冬は氷点下の日がほとんどですが、住宅は気密性が高く、快適に暮らすための工夫がされています。

住みやすい街

道外の方から見ると、「北海道=札幌」と言っても過言ではないほど、札幌市の印象が強いのではないでしょうか。
北海道の人口の約3割が集中し、東京、横浜、大阪、名古屋に次ぐ全国5番目の人口を誇る大都市です。多くの商業施設や官公庁が立ち並び、政治・経済・文化の中心になっています。

個人的には道東の十勝エリアがおすすめです。酪農王国として有名ですが、実はスイーツ王国でもあります。四方を大自然に囲まれ、「ザ・北海道」を満喫するには絶好のロケーションです。

首都圏に比較すると住居費など物価は低めです。冬場の光熱費はかさみますが、金銭的に余裕を持った生活が実現しやすいといえます。

交通アクセス

都市部は電車やバスなど公共交通機関が発達しています。それでも、車は必需品でしょう。
都市部から少し離れた場所になると、車がなければ生活に支障をきたすケースも考えられます。

観光、レジャー

札幌、函館、小樽などの人気都市をはじめ、知床の世界自然遺産、富良野、美瑛、旭川など、魅力的な観光スポットが目白押しです。
また、冬はスキー、スノーボードやカーリング、夏はゴルフにサイクリングがさかんです。中にはウィンタースポーツ好きが高じて、移住される方もいらっしゃいます。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

2021年4月時点の北海道全域の待機児童数は68人で、前年同月の134人から半減しました。
院内保育を実施している医療機関も多く、北海道医師会による「医師キャリアサポート相談窓口」では院内保育園情報を掲載しています。

進学校として名高い札幌南高校、北嶺高校、立命館慶祥高校、旭川東高校は医学部合格者を多数輩出。特筆すべきは、札幌市郊外にある完全中高一貫教育の北嶺中学・高校です。
入寮して東大、国公立大医学部を目指す「青雲寮コース」を設け、高い現役合格率を誇ります。

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北海道での
医師転職成功事例

外科医としてスキルアップ

外科 30代後半男性

Before

年収 1,100万円
専門科目 外科
施設形態 大学病院
勤務日数 週5日、当直あり

手術をしたいのに…

大学病院ではなかなか機会がまわってこず、年収も同世代では低い水準だったと思います。

After

年収 1,600万円
専門科目 外科
施設形態 急性期の市中病院
勤務日数 週4.5日、当直あり

スキルアップと年収アップが実現

手術件数豊富な病院に転職でき、年収も500万円アップしました。

年収維持のまま、QOL向上

内科系 40代後半女性

Before

年収 1,700万円
専門科目 呼吸器内科
施設形態 急性期の市中病院(医局人事)
勤務日数 週5.5日、当直オンコールあり

体力的に辛い

年齢と共に体力の衰えを感じ、当直やオンコールが厳しくなってきました。

After

年収 1,700万円
専門科目 内科、呼吸器内科
施設形態 回復期リハビリ病院
勤務日数 週5日、当直オンコールほぼなし

年収はそのまま、当直オンコールなし

勤務日数も半日減り、転職によってQOL向上が実現しました。年収も維持できて満足しています。

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北海道での転職についてよくある質問

北海道の医療機関との面接で、注意すべき点はありますか?

道外から面接にいらっしゃる際、地域性の違いなど不安に感じる方も多いかと思います。
民間医局では面接前に打ち合わせをし、お話しする内容を再確認します。エージェントが面接に同席し、最大限サポートいたしますので、ご安心ください。
「道民は優しい方が多い」と、よく聞きます。移住される方に対しても、親切に温かく迎えてくれますので、心配することはないと思います。

北海道ならではの求人の特徴は?

常勤求人では、単身赴任者の帰省手当が手厚い医療機関が多いです。見学時の交通費、宿泊費を支給するケースも少なくありません。
非常勤求人では期間限定の求人も多く、1日のみのスポット求人でも飛行機代支給案件が多数あります。

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