栃木県の医師転職市場や年収相場は?

更新日:2022/09/09 公開日:2022/02/28

山々に囲まれた栃木県。平野部は比較的穏やかな気候で、東京へのアクセスも良好なエリアです。

県全体として医師が少なく、「やりたい医療があるのに、医師がおらず困っている」医療機関が多いため、双方の希望が合致すれば、それを形にできる病院がたくさんあります。
そして専門にとらわれず、幅広い診療ができる医師が求められています。

この記事では、栃木県で転職や移住を考える医師のため、最新の転職市場や転職成功のポイントを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

目次

栃木県の医師転職市場の動向

栃木県の医療施設に従事する医師数は、「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると2018年12月31日時点で4,400人です。県内の医師数は全国20位ですが、人口10万人に対する医師数は226.1人と全国平均の246.7人よりも少なく、全国順位も34位と低くなっています。

栃木県には、次の6つの医療圏があります。

  1. 宇都宮
  2. 県北
  3. 県西
  4. 県東
  5. 県南
  6. 両毛

この中で都市部といわれるのは、宇都宮医療圏の中でも本当の中心部だけです。都市部は高度医療から訪問診療まで幅広く求人がありますが、基本的に都市部と郊外で求人の違いはありません。

栃木県の転職市場の傾向として、内科系は診療科の縦割りというより、内科を幅広く診られる先生が期待されています。
外科系は、大学医局から派遣を受けている医療機関が多いと感じています。
全体的に研修したい(学びたい)比較的年次の若い医師というよりは、専門医を取得しているベテラン医師を採用したい意向が強いです。県内に医科大学が2つあることで、若手医師は医局から来ることもあり、ベテラン医師を望む声が強いものと考えられます。

栃木県には獨協医科大学と自治医科大学があり、県内の病院は2大学の医局から多くの医師派遣を受けています。しかし、「病院全体が獨協医科大学の派遣先、または自治医科大学の派遣先」ということはまれで、診療科ごとに両大学から派遣を受けている病院が多いです。
(例:同じ病院でも整形外科は獨協医科大学、消化器内科は自治医科大学から医師派遣を受ける)

病院全体で大学医局から派遣を受けている施設が少ないため、退局して県内で病院に転職する際、診療科によって選べる転職先が変わってきます。
ご自身の診療科以外でも、獨協医科大学や自治医科大学から派遣がある施設はNGというご希望に対しては、厳しい環境になります。

転職を考える上でおすすめのエリアは宇都宮市です。北関東最大の都市で、新幹線を使えば東京からわずか50分。給与が比較的高い求人が多いことも魅力です。
宇都宮市にある医療機関は、高度医療を行う総合病院から訪問診療まで、幅広い医療を提供しています。都内から新幹線通勤している先生や、勤務日だけ単身赴任で、週末は都内で過ごすといった働き方をされている先生も多くみられます。

栃木県の医師の平均年収

医師の平均年収グラフ(北海道・東北)

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、栃木県の医師平均年収は1,204.0万円(平均年齢41.6歳、勤続年数6.4年)と、全国平均の1,440.3万円を下回っています。

しかし全国平均の年齢は45.5歳、勤続年数は7.1年でした。栃木県の調査対象となった医師が、他県よりも若いことが全国平均を下回った理由とも考えられます。
県内には自治医科大学と獨協医科大学の2大学があることから大学病院に勤務している医師が多く、給与水準が抑えられているのかもしれません。

栃木県の男性医師の平均年収は1,219.7万円(平均年齢42.9歳、勤続年数7.0年)、女性医師の平均年収は1,102.0万円(平均年齢32.9歳、勤続年数2.8年)です。

大学以外の市中病院の給与水準は決して低いわけではありません。むしろ栃木県は全国的に見ても医師が少ないエリアのため、他エリアより給与水準を上げて、魅力を作ろうとしている医療機関があることも事実です。

栃木県で転職をお考えでしたら、民間医局へご相談ください。年収はもちろん、勤務内容や待遇をご満足いただけるよう、エージェントが医療機関と交渉します。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

栃木県
高額求人を厳選しました。
ご希望に合う求人がきっと見つかります。

栃木県の医療状況

栃木県の人口は年々高齢化が進んでいます。特に医師数の少ない県北や県西、両毛エリアの65歳以上人口が増加しており、今後医療の必要性が高まる地域です。

医療機関

厚生労働省の「令和元年医療施設調査」では、栃木県内の病院数は106施設です。人口10万人あたりの病院数は5.5施設で、全国38位でした。しかし、東京都の4.6施設や神奈川県の3.7施設を大きく上回っています。

病院のおおよそ3分の1は宇都宮エリアに集中しており、県西や両毛エリアは特に病院数の少ないエリアです。診療所も同様に、宇都宮エリアに多くあります。

栃木県全体の診療所数は1,460施設で、人口10万人に対する診療所数は75.5施設と全国平均の81.3施設を下回っています。しかし、隣接する茨城県の人口10万人あたりの診療所数61.2施設は上回っている状況です。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 診療所数
県北 21 225
県西 11 118
宇都宮 31 429
県東 5 102
県南 22 377
両毛 16 209

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

栃木県として医師採用を強化しており、栃木県出身者や県内で初期研修を行った医師など、縁のある先生に再び栃木県で勤務してもらえるよう、U・I・Jターンを促進しています。

そのため栃木県は民間医局を運営するメディカル・プリンシプル社と契約を締結し、医師招聘に努めています。

生活環境の魅力

関東北部に位置する栃木県。内陸部にあり、日光国立公園や男山、中禅寺湖など美しい自然に囲まれています。

北部は高い山々がそびえ、東部は比較的なだらかな八溝山地があります。山の多いイメージかもしれませんが、中部から南部は平野が広がっています。平野部の年間平均気温は12~14℃、北部の山地は7~9℃です。

住みやすい街

栃木県内の住みやすい街は、なんといっても宇都宮市でしょう。県庁所在地かつ北関東最大の都市で、保育施設が充実した子育てしやすい街としても人気があります。災害が少ない点もおすすめです。新幹線で東京まで約50分というアクセスの良さも魅力です。

宇都宮市の南部にある小山市も、東北新幹線の停車駅で利便性に優れています。上野駅までJR宇都宮線、新宿までは湘南新宿ラインで1時間20分程度でアクセスできます。

交通アクセス

宇都宮市や小山市など、公共交通機関が発達したエリアなら自家用車は不要かもしれませんが、その他の地域に移住するなら車はあったほうが便利でしょう。
県内には群馬県や茨城県へと続く北関東自動車道や、青森方面へと抜ける東北縦貫自動車道弘前線(東北道)があります。

宇都宮市には関東バスが、小山市には小山市コミュニティバス「おーバス」も通っています。

観光エリア

栃木県の観光名所は多くあり、特に日光国立公園や日光東照宮が有名です。

日光国立公園は栃木県、福島県、群馬県の3県をまたぐ国立公園で、火山群による温泉や湖などが多くあります。ハイキングや水上アクティビティ、サイクリングなど、家族で楽しめる観光スポットです。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

子育てする上で確認しておきたいのが待機児童数。栃木県の待機児童数は、2021年4月1日時点で0人でした。

栃木県の高校は、全県1学区制をとっています。医師の出身校として多いのは宇都宮高校、宇都宮女子高校、栃木高校、足利高校などです。いずれも公立です。

ご自分に合う求人を知りたい、
という先生はこちらから。

栃木県での
医師転職成功事例

残業で忙しいのに、給与は安い

耳鼻咽喉科 40代前半男性

Before

年収 1,000万円
専門科目 耳鼻咽喉科
施設形態 大学病院
勤務日数 週5日、当直あり

大学病院で忙しく、給与は安いまま

当直や残業で体力的な厳しさを感じるように。
同年代に比べて給与も低く、転職を決意しました。

After

年収 1,440万円
専門科目 耳鼻咽喉科
施設形態 ケアミックスの市中病院
勤務日数 週4日、当直なし

ケアミックス病院への転職で年収アップ

週4日の残業がない病院へ転職し、オンオフの付いた働き方が実現しました。

栃木県での転職についてよくある質問

栃木県の医療機関が求める医師像は?

医療については発展途上で確立されたものがないため、自分のやりたい医療を実現できる土壌が栃木県にはあります。
「こういう病院でこういう医療を実現したい」「これまでの経験をこう活かしたい」といった、強い希望をお持ちの先生を求めています。

栃木県外から転職を考える場合、面接時のマナーや気を付けるポイントはありますか?

マナーや面接で注意すべき点は、他県と変わりはないと思います。
ジェネラリストとして幅広い診療に携わってくださる医師、かつ、自分のやりたいことがはっきりしている医師が求められていますので、「栃木県でなぜ働きたいか」が明確だとなお良いと思います。

関東エリアの医師転職・求人一覧

■参考サイト

栃木県

小山市