静岡県の医師転職市場や年収相場は?

更新日:2022/03/18 公開日:2022/03/16

一面の茶畑と、標高3,776mの富士山を望む静岡県。

静岡県の求人の魅力は、赴任手当や住宅手当、遠距離交通費支給といった福利厚生が手厚い求人が多い点です。各エリアから先生をお迎えする体制が整っています。

この記事では、静岡県での転職や移住を考えている医師のため、最新の転職市場や転職成功のポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

目次

静岡県の医師転職市場の動向

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、静岡県の医療施設に従事する医師数は7,690人でした。全国では京都府に次ぐ11位で、広島県が12位と続きます。
しかし静岡県の人口10万人に対する医師数は210.2人で全国40位、決して潤沢とは言えません。

静岡県唯一の医学部は浜松医科大学です。医局人事の影響は静岡県西部を中心に今もあります。

同大学から医局派遣を受けている医療機関も多く、県内への転職においては一部相談が必要となるケースがあります。とはいえ医局との関係を持ちつつも、外部からの医師採用を行う傾向も強くなってきているため、ご希望に応じて調整してまいります。

内科系では県内、エリア問わず訪問診療を実施している医療機関が増えている傾向です。居宅・グループホーム向けはもちろん、へき地医療を目的としたクリニックを開院し往診を行うなど、地域のニーズに合わせ多様な募集があります。
静岡県全域でみると、まだまだ訪問診療の求人募集は増えてくると思われます。

外科系では消化器外科を主とした求人が多いですが、大学の垣根なく、先生同士で協力し合う風土のところが多い環境です。専門に特化している施設も複数あります。

他科では透析の求人数が比較的多く、また勤務条件・雇用条件が首都圏に比べても好条件のところが増えてきています。
各科とも地域のニーズに合わせ、特徴ある施設が多い印象です。

静岡に来ていただける先生方は、実はエリアにこだわらず「自分に合った施設」をお探しであることが多いです。その条件を満たすことができる施設が県内にも多く、結果として希望にかなう転職となった好事例が増えています。

現職の条件と比較し、はるかに好条件で採用されることも珍しくありません。

特に「好条件で転職しやすい」勤務先としては、

  • 緊急度の高い募集内容(例:新規分院の開院、退職による欠員補充)
  • 柔軟性のある医療機関(例:現職の年俸額を考慮、担当業務量によって年俸増)

などが挙げられます。
一例ではありますが、医師も納得する好条件での転職は、首都圏エリアの医療機関よりも多いです。

「転職先としておすすめなエリア」という地域的な側面よりも、医療機関のおかれている状況や規定によって「好条件」を引き出すことができ、結果として最良の転職先となることが多いです。

静岡県の医師の平均年収

医師の平均年収グラフ(北海道・東北)

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、静岡県の医師平均年収は1,480.6万円(平均年齢50.8歳、勤続年数6.4年)でした。男性医師の平均年収は1,541.3万円(平均年齢51.9歳、勤続年数7.4年)と、静岡県全体よりも高く算出されています。

対して、女性医師の平均年収は1,200.8万円(平均年齢45.8歳、勤続年数1.9年)で、男性医師より勤続年数が極端に少ないことが分かります。育児に専念している、あるいは産後復帰したばかりの女性医師が調査対象に含まれている可能性があるため、実際の数字とは異なることに注意が必要です。

静岡県の中でも特に医師不足に悩む、伊豆市、伊東市、下田市は給与水準が高めです。週4日勤務で年俸2,500万円の常勤求人も複数ございます。

また、給与条件が平均並みの求人であっても、当直・オンコールなし、住宅補助、特急利用可能、送迎ありなど、福利厚生が手厚いケースもあります。医師の負担軽減のために、医療機関側も最善を尽くしてくださいます。

静岡県で常勤求人をお探しでしたら、民間医局にご相談ください。静岡県の医療機関、転職市場を熟知したエージェントが、待遇や勤務内容のご希望に沿った求人をご紹介します。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

静岡県
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静岡県で求められる人材は?

内科系は消化器内科、循環器内科など一般内科+専門科目を中心とした内容の求人が増えています。そして前述の通り、訪問診療が最も多い状況です。

外科系では一般外科、消化器外科から、心臓血管外科、脳神経外科、泌尿器科など専門性を求める求人もあります。

他科系としては皮膚科、人工透析、精神科の順に募集をいただいております。

募集が少ない科目としては、小児科、眼科、放射線科、麻酔科、婦人科などになります。
特に小児科・産婦人科・麻酔科あたりは、全国的に医師不足と聞くこともありますが、求人自体は静岡エリアに限らず、首都圏でも募集は少ない状況になっています。

医療機関が求める人物像

静岡県が抱える医療資源の少なさと、高齢化が進んでいることから、既存の患者さんと向き合っていく時間が長くなる傾向にあります。

新患割合の多い首都圏エリアに対して「患者さんへ寄り添うことができる、人間味あふれる医師」を求めていることが多いです。

静岡県の医療状況

静岡県は東西に広く、8つの二次医療圏に分かれています。
ここでは、県を東部・静岡市中心部・中部・西部の4つのエリアに分け、それぞれの特色をご紹介します。

東部(熱海市・伊東市・伊豆市・三島市など)

観光が盛んな地域となりますが、地域住民に向けた訪問診療などの求人が多いです。
医療圏としては県立がんセンター、順天堂大学病院を中心とし、がん治療が充実しています。バックアップとしての緩和ケア・ターミナルケアの充実、救急医療と在宅医療の体制構築・安定化を目指しています。

静岡市中心部

静岡駅周辺の中心部は近隣に大学病院が少ないことから、地域医療支援病院6病院を中心とした独自の医療圏を形成しています。充実した救急体制のバックアップとして在宅医療・回復期・介護などの連携・体制強化を目指した取り組みを行っています。
募集科目から勤務条件まで、バリエーションの多い求人が見受けられます。

中部(藤枝市・焼津市・磐田市・掛川市など)

静岡市・浜松市の狭間でもあり、中東遠総合医療センターを核とした高度急性期・回復期の充実と病院間連携が推進されています。また、在宅医療についても診療所間の連携だけでなく、福祉サービスを含めた広域的な取り組みを目指しています。

西部(浜松市)

県内最大の人口規模をもつ医療圏です。浜松医科大学を中心とした医療圏となっており、大学医局との繋がりのある医療機関が多いです。 回復期機能の充実が求められており、医療介護院の創設などの体制づくりにおける医療需要が見込まれます。
求人については比較的絞られており、時期・タイミングによって求人内容が変化する傾向にあります。

医療機関

厚生労働省の「令和元年医療施設調査」では、静岡県にある病院数は175施設で全国13位でした。人口10万人に対する病院数は4.8施設と、全国平均の6.6施設を下回っています。
静岡県内175施設のうち一般病院は144施設、精神科病院数は31施設、一般病床数は21,000床あります。

診療所は全体で2,732施設あり、人口10万人に対しては75施設です。全国平均の人口10万人あたりの診療所数81.3施設を下回っています。
施設数だけでは分かりにくいですが、富士や中東遠、賀茂エリアは医師少数区域に分類されており、特に医師の偏在が課題となっている地域です。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 診療所数
賀茂 8 57
熱海伊東 7 92
駿東田方 47 450
富士 17 268
静岡 29 549
志太榛原 13 308
中東遠 19 319
西部 35 689

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

静岡県では、県外大学での地域枠を全国最大規模となる7大学37 枠まで拡大し、出身地に関わらず県内で勤務する医師確保に努めています。また、医師の少ない地域に対し、医療機関の巡回診療や往診サービスの支援体制を深める考えです。

さらに静岡県では、浜松医科大学と連携して寄附講座の充実を図っています。たとえば、地域家庭医療学寄附講座設置事業では、県内の中小病院と開業医の医師不足を補うため、総合診療医を養成します。

生活環境の魅力

静岡県は平均気温16.5℃と温暖な地域で、都会と自然が共存しています。
以前から南海トラフ地震が予見されていることを踏まえ、県を挙げてハード面・ソフト面と全国トップレベルの防災対策に取り組んでいます。

2019年時点の人口は約364万人で全国10位、特に人口が多いのは浜松市、静岡市、富士市、沼津市です。

住みやすい街

アクセス面を重視されるのであれば、東海道新幹線の停車駅周辺がおすすめです。東から熱海・三島・新富士・静岡・掛川・浜松の6駅あり、各駅周辺は商業施設や繁華街が広がる利便性の高いエリアとなります。

閑静な住宅エリアを重視するのであれば、静岡駅周辺の静岡市葵区は駿府城公園、浅間神社など歴史・文化的施設もある閑静なエリアです。駅周辺には百貨店もあり、利便性が高いです。
静岡市駿河区は静岡大学、静岡県立大学があるため、教育に力を入れたいご家庭にもおすすめです。

静岡市と同じく浜松市も政令指定都市となっており、環境面でも保育園や子育て支援センターが整い、子育て世代の方にもおすすめできるエリアです。

東部に位置する三島駅は品川から40分弱と好アクセス。
伊豆周辺も自然・温泉と余暇を満喫できるエリアとなります。

交通アクセス

県外から移住される場合、交通アクセスは事前に確認しておくことをおすすめします。

首都圏と違い電車移動ができない、バスの運行本数が少ない等、医療機関の立地によっては公共交通機関のアクセスが不便な地域があります。

タクシーも首都圏と比べて圧倒的に少ないため、通りに出て捕まえるのは難しいことがありますので、施設の面接時は時間に余裕をもってお越しください。

観光エリア

伊豆や熱海は、国内屈指の観光地です。夏は海水浴、秋には紅葉、冬は温泉と1年中楽しめます。

海に面した静岡県は新鮮な海鮮料理も魅力で、採れたての魚介類を堪能できます。お茶や静岡おでん、さわやかハンバーグなどのグルメも有名です。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

静岡県の令和3年4月1日時点の待機児童数は61人で、全国的に待機児童の多い地域です。しかし前年同月の待機児童数は122人で、ちょうど半数まで減少しています。

また静岡市には、保育所に入所できなかった児童のための待機児童園があり、保育所に入所できるまで一時預かりしてもらえます。万が一、保育所に入れなかった場合も安心です。

静岡県の教育水準は全国でも比較的高いといえます。
小学校・中学校の学力テストでは全国47都道府県ランキングで毎年10位以内。
学習塾軒数は全国10位に位置しており、教育体制の強さも要因の1つとなっております。
偏差値の高い学校も複数存在しており、中学校では、静岡市と浜松市に2校ずつ、島田市、沼津市に偏差値60前後の進学校が存在します。

医学部への進学者実績が多いのは浜松北高校、浜松西高校、静岡高校、磐田南高校、沼津東高校などです。公立、私立ともに教育体制が整っています。

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静岡県での
医師転職成功事例

激務でプライベートがまったくない

総合診療科 30代後半男性

Before

年収 1,500万円
専門科目 総合診療科
施設形態 急性期病院
勤務日数 週5日、当直・オンコールあり

当直・オンコールがしんどい

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年収 1,800万円
専門科目 総合診療科
施設形態 クリニック
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静岡県での転職についてよくある質問

静岡県ならでは求人の魅力は?

静岡エリアの求人の多くは、赴任手当、家賃補助や住宅手当、新幹線通勤や車通勤(高速代や駐車場代負担)、帰省手当等、各エリアから先生をお受け入れするための福利厚生が備わっていることが魅力だと思います。

医療機関の見学・面談だけでなく、住みやすいエリアを地元目線で教えてくれたり、近隣の町を案内してくれるなど、転職のみならず、ご家族や暮らしのことまで考えてくれる施設が多いです。

求人情報に掲載されている以外のことも相談でき、転職のみに留まらない魅力が沢山ございますので、お気軽にお問い合わせください。

ほかのエリアから移住や転職を考える場合、気を付けるポイントはありますか?

医療機関の立地によっては公共交通機関のアクセスが不便な地域があります。タクシーも首都圏と比べて圧倒的に少ないため、捕まえにくいことがあります。施設の面接時は時間に余裕をもってお越しください。

移住については「ふじのくに移住ポータルサイト」を設けたり、移住相談会を県・市それぞれ開催したりと、魅力を知ることができる機会を多く提供しています。
まずは環境を見てみたい、という先生方はぜひ一度ご覧いただければと思います。

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