愛媛県の医師転職市場や年収相場は?

公開日:2022/03/23

全国有数のみかんの生産地として有名な愛媛県。温暖な瀬戸内海に面し、豊かな自然に恵まれた地域です。

四国で最も人口と医師数が多く、年収相場も高水準にあります。オンオフのメリハリのついた働き方が実現しやすい環境が整っています。

この記事では、愛媛県で転職や移住を考える医師のため、最新の転職市場や転職成功のポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。

目次

愛媛県の医師転職市場の動向

愛媛県は「東予(とうよ)・中予(ちゅうよ)・南予(なんよ)」の3つのエリアに分けられます。県庁所在地である松山市を含む中予エリアは、生活環境を含め、医師が集まりやすいエリアです。その分、給与水準は控えめです。

転職先としておすすめなのは、東予エリア(四国中央市・新居浜市・西条市・今治市)です。
特に今治市・西条市は松山市からも車で1時間程度と通勤圏内にあります。

転職市場を科目別に見ると、以下の診療科の求人が増加傾向です。

  • 内科系:総合内科、消化器内科
  • 外科系:整形外科、脳神経外科
  • 他科系:小児科・産婦人科といった周産期系

各エリアで救急等の役割分担が明確になっていることもあり、都市部と郊外で求人に大きな違いが出ることはありません。
強いて言えば、都市部は専門医療、郊外は広く浅く総合的な対応を求められることが多いといったところでしょうか。

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、愛媛県の医療施設に従事している医師数は3,640人でした。人口10万人に対する医師数は269.2人で、全国平均の246.7人を上回っています。

「愛媛県医師確保計画及び愛媛県外来医療計画」では、医療施設に従事する医師は年々増加しているものの、平成30年時点で医師の平均年齢は52.1歳と高齢化してきています。

医師の高齢化に伴い、世代交代を求める声が強くなっています。また診療科を問わず、急性期医療を展開している病院での募集が多い傾向にあります。一方で、クリニックの募集は少ないのが現状です。

採用する医療機関側が求める人材は、しっかりとコミュニケーションが取れる医師ですね。
これは全国共通で、昨今では医療もサービス業という位置づけにあり、接遇を重んじる医療機関も増えてきています。
また地方では、高齢の患者さんの話をしっかり聞いてあげることが大切です。

愛媛県のみならず四国全体として、まだまだ大学医局の影響力が色濃く残っています。特に専門医取得やスキルアップを希望するようなケースは、自ずと候補先が絞られてしまい、都市部に比べると残念ながら選択肢は少ないと言わざるをえません。

ただ昨今では、臨床研修指定病院のような大学医局人事が当たり前の施設からも募集相談をいただくことが増え、市場の変化も出てきています。まずはご相談くださいませ。

愛媛県の医師の平均年収

医師の平均年収グラフ(甲信越・北陸圏)

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によれば、愛媛県の医師平均年収は1800.8万円(平均年齢49.1歳、勤続年数7.4年)です。全国の医師平均年収は1,440.3万円で、愛媛県の年収相場が高いことがわかります。

男女別にみると、男性医師の平均年収は1,920.4万円(平均年齢51.8歳、勤続年数8.1年)で男性の全国平均1,522.5万円を大きく上回ります。女性医師は893.2万円(平均年齢29.2歳、勤続年数2.2年)と全国平均1,188.3万円を下回りますが、これは調査対象となった女性医師の平均年齢が著しく低いことが要因と考えられます。

データが示す通り、体感でも愛媛県は四国の中で給与水準が高い印象です。
愛媛県は「東予・中予・南予」という3つのエリアに分けられますが、県庁所在地の松山市を含む中予エリアは、生活環境も含めて医師が集まりやすいため、給与水準は平均からやや劣る印象です。東予と南予エリアが平均値を押し上げているというイメージでしょうか。

とはいえ、あくまで平均値ですので、中予エリアであってもタイミング次第では、十分に平均値を越える年収提示も見られます。

また、年代によって年収に差が出るのは、公的医療機関のように経験年数に応じて規定が決まっている場合、致し方ない面はあります。
しかし希望や現収入を加味して条件提示いただける施設も多くあります。どの年代の先生でも、まずはご希望をお知らせください。
私たち民間医局は、勤務内容・待遇共にご納得いただけるよう誠意をもって支援いたします。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

愛媛県
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愛媛県の医療状況

医療機関

厚生労働省の「令和元年医療施設調査」によると、愛媛県内にある病院は135施設で、人口10万人に対する病院数は10.1施設でした。人口10万人に対する病院数の全国平均は6.6施設で、愛媛県の病院数は全国平均を上回り全国順位12位です。

愛媛県の診療所数は1,226施設で、人口10万人あたりの診療所数は91.6施設でした。人口10万人に対する診療所数も全国平均81.3施設を上回っています。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 診療所数
宇摩 8 54
新居浜・西条 21 176
今治 28 119
松山 51 601
八幡浜・大洲 15 161
宇和島 12 115

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

愛媛県では医師確保のため、「えひめドクターバンク」や「愛媛プラチナドクターバンク」、「ドクタープール制度」といった求人サービスや制度を用意しています。「愛媛プラチナドクターバンク」は、県内外の医療施設を定年退職した医師に対し、無料で職業紹介するサービスです。セカンドライフを充実させつつ、地域医療を支えるための人材を募集しています。

「ドクタープール制度」とは、愛媛県職員として入職後に市町立病院へ派遣されて医療を支える制度です。ドクタープール医師になると、医療対策課より県立中央病院から市町立病院に常勤または非常勤職員として派遣されます。

生活環境の魅力

瀬戸内海に面する愛媛県は約200の島々により形成され、南側に四国山脈が横断している細長い地形をしています。瀬戸内海気候の影響を大きく受けるため、降水量が少なく晴天の多い温暖な気候が特徴です。ただし山側では比較的降水量が多く、冬には積雪も見られます。

愛媛県の年間平均気温は約16℃ですが、盆地の八幡浜・大洲エリアは夏の暑さが厳しいことを知っておくとよいでしょう。

住みやすい街

四国最大都市の松山市は言わずもがなではありますが、西条市と今治市も人気があります。

西条市は宝島社発行『田舎暮らしの本』(2022年2月号)で発表された「2022年版住みたい田舎ベストランキング」において、若者世代・単身者部門で全国1位。今治市も同部門で2位を獲得しています。
どちらも大自然に恵まれながら、松山市や広島市へのアクセスも良好で、子育て世代におすすめのエリアです。

交通アクセス

愛媛県内にある空港は松山空港だけですが、フェリーによる移動なら三津浜港や松山観光港、泊港、三崎港などが利用できます。各フェリーは、九州や中国地方へアクセスするときに便利です。

県内の移動には、高速バスや路線バス、鉄道も利用できますが、自動車がないと不便に感じるかもしれません。

観光エリア

愛媛県で人気の観光スポットはしまなみ海道でのサイクリングや、山頂に建つ石鎚神社へ向かうコースのトレッキングです。石鎚神社のある石鎚山は四季折々の自然を満喫できるため、トレッキングには最適のコースです。

また松山城や宇和島城、今治城といった名城巡りも趣があります。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

厚生労働省が発表する「保育所等関連状況取りまとめのポイント」によると、令和3年4月1日時点の愛媛県の待機児童数は33人でした。前年の待機児童数は55人でしたので、減少傾向にあります。

愛媛県は文科省が実施している「全国学力学習状況調査」でも全国上位水準を維持しており、教育水準は比較的高めです。また、西の御三家の一つと言われる愛光高校は全国でも有数の医学部進学校で、愛光医会という医師のOB組織もあります。公立では松山東高校や今治西高校、松山南高校なども、医学部受験に強い学校として名が通っています。

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愛媛県での
医師転職成功事例

月6回の当直とオンコールで疲弊

外科 30代前半男性

Before

年収 1,200万円
専門科目 外科
施設形態 急性期病院(医局人事)
勤務日数 週5日、当直(月6回程度)・オンコールあり

勤務時間が長く、体力的に厳しい

もう少しワークライフバランスが取れて、スキルも活かせる環境はないかと転職先を探し始めました。

After

年収 1,600万円
専門科目 外科
施設形態 一般病院
勤務日数 週4.5日、当直(月1回程度)

ワークライフバランス向上、年収も大幅アップ

当直は月1回程度に減り、自分の時間が持てるようになりました。スキルや専門性も活かせています。

愛媛県での転職についてよくある質問

愛媛県ならではの求人の魅力は?

2次救急の急性期病院であっても、勤務時間外の院内は閑散としており、都市部に比べて全体的に、オンオフのバランスが取れる医療機関が多く感じます。(輪番日は除く)

また愛媛県は、多数の離島が点在する全国有数の多島県です。数は多くないものの、離島の診療所などから医師募集の相談などもございます。

ほかのエリアから移住や転職を考える場合、気を付けるポイントはありますか?

生活面で言えば、車はあった方が便利でしょう。

仕事面では、都市部と地方とでは異なる側面もあるため、現地のエージェントと密に連絡を取りながら、検討先のエリアの把握に努めることをおすすめします。

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