沖縄県の医師転職市場や年収相場は?

公開日:2022/02/22

国内屈指のリゾート地として人気を誇る沖縄県。
Common Diseaseの患者数が豊富で、医局人事の影響の少なさから、医師にとって幅広い選択肢が魅力です。

また日本にいながらアメリカ式医療を学べる土壌もあります。沖縄県立中部病院や海軍病院には多くの医師が勤務し、アメリカへ留学される方もいます。

この記事は、沖縄県へ転職や移住を検討する医師が知っておきたい、転職市場や求人情報をまとめています。沖縄県担当エージェントが最新情報をご紹介しますので、参考にしてください。

目次

沖縄県の医師転職市場の動向

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、沖縄県の医療施設に従事する医師数は3,485人です。
人口10万人に対する医師数は240.7人で、全国平均の246.7人を少し下回っています。医療施設に従事する医師数、人口10万人に対する医師数は、ともに全国27位でした。

沖縄県の医療圏は本島3つ(北部・中部・南部)、宮古、八重山の合わせて5つに分けられ、それぞれに県立病院が設置されています。
離島の多さも沖縄県の特徴です。無人島を含めて160もの島々があり、そのうち有人の離島は37島で広範囲に散在しています。離島(宮古、八重山諸島)、北部エリアの医師不足が顕著で、医療提供体制の維持が課題となっています。

沖縄県唯一の医学部は、琉球大学にあります。大学医局の影響はごくわずかで、医局人事に左右されることはほぼなく、勤務先を自由に選べる土壌です。相談先も幅広く柔軟な受け入れ体制が整っています。全国でもまれな地域と言えるかもしれません。

求人数は内科系が増えており、中でも急性期病院の医師採用が活発です。市部は内科を中心に外科、精神科のニーズが高く、北部・離島では総合診療、産婦人科、小児科のニーズが高めです。

医療機関が医師に求めるものとして、スキルもさることながら人柄重視の傾向があります。地域柄、高齢者や子供も多いためコミュニケーション力は欠かせません。また、3年以上勤務してくれるかなど、定着の意向があるかどうかも採用のポイントになります。

沖縄県の医師の平均年収

医師の平均年収グラフ(沖縄県と全国主要都市)

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、沖縄県の医師平均年収は、1,402.2万円(平均年齢45.7歳、勤続年数7.1年)でした。全国平均の医師年収1,440.3万円を少し下回ります。

男女別にみると男性1,580.4万円(平均年齢48.4歳、勤続年数8.7年)に対し、女性は791.0万円(平均年齢36.7歳、勤続年数1.6年)です。
調査対象となった沖縄県の女性医師は子育て世代で、勤続年数が少ないため、平均年収が低く算出されたと考えられます。

市部や急性期病院では病院規定により、卒業年次で給与が定まるケースがほとんどです。離島やへき地になると手当が加算され、1.3倍ほど給与が上がる傾向にあります。

民間医局で沖縄県の求人を検索した場合の求人数330件のうち、高額年収のボーダーラインとされる「年収1,800万円以上」の求人は88件です。さらに「年収2,000万円以上」の求人は、26件ありました(2022年2月22日時点)。

医師の皆さまの転職活動をサポートする民間医局では、沖縄県の希望の勤務地や待遇、勤務内容に満足いただける求人をご紹介します。ご希望に沿って、エージェントが医療機関と交渉にあたり、ご満足いただける転職をサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

本記事内の図表は、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに作成しています。平均年収は、「きまって支給する現金給与額(時間外、職務手当など各種手当を含む)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出した金額です。講演料や執筆料などの収入は含まれておりません。
調査対象のサンプル数や年齢、勤務内容等は都道府県によっても異なります。参考までにご覧ください。

沖縄県
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沖縄県の医療状況

医療機関

厚生労働省が発表した「令和元年医療施設調査」によると、沖縄県の病院数は91施設、人口10万人に対する病院数は6.3施設でした。全国平均の人口10万人に対する病院数6.6施設を下回り、全国でみると30位です。

沖縄県の診療所数は901施設で、人口10万人あたり62施設です。全国平均の人口10万人あたりの診療所数81.3施設を大きく下回る結果となりました。しかし、1999年の診療所数650施設と比較すると約1.4倍増加しています。

病院、診療所ともに沖縄市や那覇市のある中部と南部に偏在しています。

二次医療圏域ごとの病院数と診療所数

医療圏 病院数 診療所数
北部 9 61
中部 29 239
南部 46 525
宮古 4 37
八重山 3 39

出典:厚生労働省「令和元年医療施設調査」

自治体の医師確保の取り組み

沖縄県では特に医師の少ない北部や離島での医療提供体制確保のため、県立病院で専攻医を養成しています。専門研修期間の最初の2年間を中部・南部の県立病院で研修し、3年目に北部・離島の県立病院や診療所に派遣されます。
また、沖縄県医療勤務環境改善支援センターによる勤務環境の改善支援や、出産・育児による離職防止と休職中の医師の復職を促進するため、代替医師の確保や復職研修などを支援しています。

生活環境の魅力

沖縄県の魅力は、なんといっても美しい海と温暖な気候です。
海はカラフルな熱帯魚や珊瑚礁が特徴で、海水浴やスキューバダイビングをするのにぴったり。特に宮古島や石垣島、竹富島、古宇利島(こうりじま)などの離島は、エメラルドグリーンの海と真っ白な砂浜が美しいことで有名です。
沖縄県の平均気温は23.1℃と1年を通して暖かく、真冬でも10℃を下回ることはほとんどありません。

那覇空港からは海外15路線・国内32路線が就航しており(2022年1月時点)、東京や大阪へのアクセスも良好です。

家賃、食料、公共交通機関といった生活にかかる物価はやや高めという点は、念頭に置いておきましょう。

住みやすい街

人気エリアは「街の住みここちランキング2021自治体ランキング<沖縄県版>」でも上位の沖縄県北谷町です。西海岸に面しビーチや温泉、公園や商業施設が充実し、高級マンションも多く立ち並びます。

市部ではモノレール等の交通網、商業施設など住環境が整っている那覇市は人気があります。特に新都心と呼ばれる地域では美術館・公園が整備され、医師も多く住んでいます。

交通アクセス

2003年にゆいレールと呼ばれる沖縄県唯一のモノレールが開通し、那覇空港から首里城までの移動がしやすくなりました。
市部では不自由を感じることなく生活が送れますが、北部エリアや離島は商業施設や移動手段が少ないため、車は必須アイテムです。

沖縄本島から橋のかかっていない離島へ行く場合は、飛行機かフェリーで移動することになります。
本州へは全国の主要空港から飛行機が出ており、羽田空港と那覇空港間はおおよそ2時間45分、大阪の伊丹空港へは2時間15分程度でアクセスできます。

観光エリア

沖縄県には、国際通りや沖縄美ら海水族館、首里城などの多くの観光スポットがあります。スキューバダイビングやサーフィンといったマリンスポーツもさかんです。

沖縄独自の食文化も魅力で、本州では水揚げされないような色とりどりの魚介類が市場に並びます。白身魚のマース煮をはじめ、ラフテーや沖縄そば、タコライスなど沖縄グルメも堪能できます。

子どもの教育体制、医学部への進学状況

沖縄県は合計特殊出生率(一人の女性が生涯に生む子どもの数を示す)が全国で最も高いことでも知られています。

沖縄県の待機児童は2021年4月1日時点で564人、待機児童率は0.91%で全国最下位です。(厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめのポイント」
待機児童は特に那覇市や宜野湾市で多く、沖縄県では待機児童解消に向けて保育士確保や保育所の整備に取り組んでいます。前年と比較すると801人減少しており、大幅に改善されていることがわかります。

公立小中学校を対象とした文部科学省「令和3年度全国学力・学習状況調査」によると、小学生は全国水準並み、中学校は平均以下。正答率30%未満の低学力児童生徒の割合は少ないのが特徴です。

進学校として知られているのは県立では開邦高校、私立は昭和薬科大学附属高校です。県外の難関大学や医学部・医学科へ多くの進学者を輩出しています。
また、琉球大学医学部は全国の医学部で最も県内からの進学が多く、約半数が沖縄県出身者となっています。

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沖縄県での
医師転職成功事例

家族との時間とスキルの両立に悩む

泌尿器科 30代前半男性

Before

年収 800万円
専門科目 泌尿器科
施設形態 大学病院
勤務日数 週5日、当直あり

プライベート優先で転職したいが、オペは積極的に携わりたい

After

年収 1,100万円
専門科目 泌尿器科
施設形態 市中病院
勤務日数 週4日、当直なし

オペ件数豊富な市中病院で、スキルも年収もアップ

転職でワークライフバランスが向上

総合診療科 50代後半女性

Before

年収 1,500万円
専門科目 総合診療科
施設形態 総合病院
勤務日数 週5日、当直あり

医師数が減って業務負担が増大

After

年収 1,600万円
専門科目 内科
施設形態 クリニック
勤務日数 週4日、当直なし

勤務負担が減り、家族との時間も増える

沖縄県での転職についてよくある質問

沖縄県ならではの求人の特徴は?

Common Diseaseの患者数が豊富で、救急医療や精神科病院、療養型医療施設も多数あるため、キャリアの選択肢は幅広いです。
日本でもアメリカ式の医療を学べるので、将来アメリカや海外留学をお考えの先生にも適した環境だと思います。

沖縄県で働く魅力は?

暖かい気候に世界的にも上位に選ばれる青い海、各エリアへのハブ空港を擁し移動には事欠かない利便性の高さで、プライベートも充実させながら働ける環境が整っています。

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