Q.先生のプロフィールを教えてください。
出身は福岡県で、大学も地元です。卒業後は外科系の大学医局に所属し、忙しくも充実した日々を送っていました。
研修医時代に結婚した妻も医師です。私とは専門領域が異なりますが、外科系の専門医資格を目指して頑張っていて、育休から復職後はフルタイムで当直もこなしています。
子育てはお互いの実家に協力してもらいながら、なんとかやっていました。
Q.転職理由を教えてください。
転職をはじめて考えたのは、第3子を授かったことがわかった時です。嬉しさと同時に、「このまま仕事に追われる日々を送るのが、子供のためになるのだろうか」と不安に駆られました。
妻も専門医資格を目指していましたし、悩んだようです。3人の子育てが一段落するまで、仕事をセーブしないといけないのかと。
そこで妻や両親とも話し合いを重ね、私が「主夫」として家庭を支えようと決意しました。
当時の勤務先は大学の関連病院で緊急オペもありましたし、当直・オンコール免除は難しい。これまでのスキルを活かしながら、プライベートを優先できる働き方はないかと考え、最近需要が増している訪問診療に興味を持ちました。
Q.民間医局を利用したきっかけを教えてください。
登録したのは医学生の時で、レジナビFairへの参加がきっかけです。
当時は、レジナビFairを開催しているのが民間医局とは知らなかったのですが、何年か経ってエージェントから定期的にメールが届くようになり、知りました。
レジナビFairを開催するような会社であれば安心だと思い、転職の相談もすることにしました。
Q.転職で民間医局を利用してみて、いかがでしたか?
転職を考えてすぐ、所属する大学医局に身の振り方を相談しました。ところが「キャリアがもったいないから、考え直してはどうか」とアドバイスされてしまい……。「家庭を優先したい」という自分の考えはわがままなのかと、悩みました。
それからしばらくの間、一人で頭を抱えましたね。外科系のキャリアを捨てていいのか、未経験の訪問診療でうまくやっていけるのだろうかと。
民間医局に相談したのは、そのころです。エージェントは私の不安や迷いを丁寧に聞いてくれました。
そして「医局からのアドバイスはもっともなお話です。けれども、高齢化が進むなかで需要の高い訪問診療に転科することも、医療貢献の一つだと私は思います」と言って、私の背中を押してくれました。おかげで、迷いがなくなりました。
Q.転職先は、どのような経緯で見つかりましたか?
民間医局に転職の相談をしてすぐ、エージェントが求人情報をピックアップして送ってくれました。その中から2つの医療機関と面接し、内定をいただきました。
相談から内定まで、2週間もかかってないと思います。トントン拍子に進み、ほっとしました。
Q.民間医局を利用して良かったと思う点を教えてください。
医療機関との面接や交渉の場にエージェントが同席してくれたことですね。
希望条件を一方的に伝えるのではなく、医師であり、一人の人間である私の想いを尊重して、丁寧に説明してくれました。場が和み、私もよどみなく自分の想いを伝えることができました。
また、医局は完全に辞めてしまおうと思っていましたが、エージェントの助言もあり、週1日は医局の関連病院で勤務することにしました。おかげで、今でも医局と円満な関係を維持できています。
中立の立場でアドバイスしてくれる存在は貴重だと感じました。
Q.転職して実現できたことを教えてください。
転職先は慢性期疾患が中心の内科外来と、グループ施設の訪問診療を行っています。
訪問診療は新しい経験ばかりですが、先輩方が丁寧に教えてくださるので困ることはありません。残業もほとんどないので、以前の「いつ緊急オペが入るかわからない」状態とは雲泥の差です。
子供の送り迎えは私が担当してますし、夕食も作ります。週末に皆で過ごす時間が取れ、家族に笑顔が増えたような気がします。
訪問診療、在宅医療はコロナ禍で需要が高まっています。外科系からの転科はチャレンジでしたが、医師としての存在価値を私自身が確認できました。やりがいのある毎日を過ごしています。
最近は、「子育てが落ち着いたら、開業したい」と考えるようになりました。
私が転職によって新しい働き方を見つけたように、スタッフも心身共に充実した働き方のできる環境を作ることが、ひいてはその先にいる患者さんのためにもなると思い、夢を膨らませています。